静かでスムーズ!クルージングが楽しくなるベルトドライブのクロスバイク「CYLVA F8B」

ブリヂストンのカジュアルなスポーツバイク「CYLVA(シルヴァ)」シリーズの中で異彩を放つのが、カーボンベルトドライブと内装変速を採用したクロスバイク「F8B」です。一般的なチェーンドライブ&外装変速機のクロスバイクと、どのような違いがあるのでしょうか。乗って確かめてみました。

CYLVAシリーズの中でも、フラットハンドルのクロスバイクとしては最上位モデルと言える存在である、CYLVA F8B。その特徴はなんといっても、カーボンベルトドライブと内装変速です。一般的なクロスバイクは、駆動にチェーンを用います。そして「フロントディレイラー」や「リアディレイラー」といった変速機が備わり、シフトレバーを操作すればガチャガチャとチェーンが移動して変速を行います。

F8Bには、そのチェーンがありません。シティサイクルではよくみる「ベルトドライブ」を採用しているのです。ベルトはチェーンと違ってチェーンオイルを必要としないので、服を汚さないというメリットがあります。

しかも、F8Bのベルトは芯の部分にカーボンが使用されていて、ダイレクトな踏み心地を特徴としています。

そしてこちらが、変速機が収まったリアハブです。シマノの「ネクサス インター8」というグレードの内装変速機が使われています。その数字が表すように、8段変速です。後輪の固定はナット式となっています(クイックリリースではありません)。

そのネクサス インター8を操作するシフトレバーは、同じくシマノの「アルフィーネ」が使われています。

フロントブレーキが機械式(ワイヤーで引くもの)ディスクになっているのも、F8Bのポイント。リアはVブレーキです。フロントだけディスクブレーキというのは、かつてはチラホラ見かけましたが、最近では少し珍しい構成です。

さて、大事なのは、実際に乗ってみてどうなのかということ。

走り始めてすぐに気がついたのが、その静かさです。ペダルを漕いでいても、ほとんど無音なのではないかと感じるほど。チェーンドライブの自転車でもちゃんとメンテナンスされたものはたいへん静かですが、それを上回る静粛性です。

そして、変速操作を行っても、レバーのカチッと言う音がして、変速機も動いているが感じ取れますが、チェーンと外装変速機のような、いかにも変速しているぞというような音は一切しません。また、内装変速機は停止状態でも変速ができるので、信号待ちのときにギアを一気に軽くする操作をしても、静かに走り出すことができます。この静かさは、とても気持ちが良いです。

ペダルを踏み込んだ感じは、チェーンドライブの自転車と取っ替え引っ替え比べてみるとベルトドライブのほうが少しソフトに感じるような気もしますが、意識する必要はないと思います。

一方で、私自身久しぶりに、ネクサス インター8を搭載した自転車には乗ったのですが、少し気になるところもありました。

ひとつは、上り坂でギアを軽くしようとシフトレバーを操作すると、リアの内装変速機からカカカカカッと音がして、なかなか変速しません。一瞬、ペダリングの力を抜いてあげる必要があります。慣れれば問題ありませんが、最初のうちは、教えられて知っていたとしても「ついうっかり」やってしまい、慌てることがあります。

また、フロントの変速はなく、リアの8段だけということもあって、24段変速のクロスバイクと比べると、軽いほうのギアは選択肢がありません。上り坂に入るときは早めにギアを軽くしておくのがポイントです。

内装変速機は少し重いというのも、事実です。自転車を持ち上げてみると、リアに重さを感じます。しかし、いざ走り出せば進み具合は悪くありませんし、一定のスピードで巡航する際もスムーズそのもの。内装変速やベルトドライブだけではなく、1台の自転車としてトータルで見ると、先の静粛性とあわせて、クルージング時の気持ち良さが魅力です。

また、今回は晴れのシチュエーションでしか乗ることができませんでしたが、油汚れと無縁のベルトドライブで、雨の影響を受けにくいフロントディスクブレーキを採用しているので、多少の雨でも自転車で通勤・通学するひつようがある人にも良いのではないでしょうか。

もしCYLVA F8Bを試乗する機会があるようでしたら、みなさんもぜひこのクルージング性能を感じて見てください。

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