徹底比較!CYLVA F6FとF8Fはココが違う

BRIDGESTONE GREEN LEBEL(ブリヂストングリーンレーベル)の中でもスポーティな性格をもつシリーズ「CYLVA(シルヴァ)」。その中核モデルはクロスバイクですが、フォールディングバイク(折りたたみ自転車)も人気があります。

現在、CYLVAシリーズに用意されているフォールディングバイクは「F6F」と「F8F」の2モデルです。

CYLVA F6F

●CYLVA F6F
価格:44,800円(税別)

CYLVA F8F

●CYLVA F8F
価格:59,800円(税別)

フレームは同じものを使用しているので、当然見た目もほとんど同じである、F6FとF8F。価格が違うのでスペック面での違いがあるのはもちろんのこと、それぞれ得意とするシチュエーションがあります。

そんなわけで、今回はCYLVA F6FとF8Fの違いについて徹底比較してみました。

先にも触れたとおり、F6FとF8Fは同じフレームを使用しています。少し離れたところから眺める限りは、両者の違いはわかりません。

近づいて観察したときまず気づくのが、前輪を保持しているフロントフォークの違いです。F6Fはスチール製のフロントフォークなのに対して、F8Fは軽量でサビにくいアルミ製フォークを採用しており、軽快な走行性能にひと役買っています。

F6FとF8Fのモデル名に入っている数字は、変速段数を表しています。つまりF6Fは6段変速、F8Fは8段変速です。また、変速の方法も異なっています。F6Fは右側グリップの根本を回す「グリップシフト」で、直感的な操作が可能。一方のF8Fは2本のレバーがあり(写真では1本グリップに隠れてしまっていますが)、慣れれば素早い変速操作が可能です。

また、グリップにも注目。F8Fは手になじみやすいエルゴノミック形状が採用されています。

前後のギアを見比べてみましょう。どちらもフロントギアは変速がありません。ギアの歯数は同じで、かつどちらもチェーンガード付きですが、F8Fのほうが見た目に高級感はあります。

リアディレイラー(後ろの変速機)は、F6Fが6段変速で、F8Fが8段変速。もう少し詳しいことを言いますと、F6Fのリアスプロケット(ギア歯)は14-28T、F8Fのほうは11−30Tというものを採用しています。この数字は歯数を表していて、数字が小さいほど重たいギア、そして数字が大きいほど軽いギアです。F8Fのほうが、軽いギアから重たいギアまで、幅広くカバーしています。

ペダル1回転で進む距離を比較すると、以下のようになります。

F6F 1速:2.86m、4速:4.45m、6速:5.72m
F8F 1速:2.60m、4速:3.90m、8速:7.10m

ブレーキは、どちらも「Vブレーキ」と呼ばれるタイプで、フロントブレーキにはブレーキが効き過ぎるのを防ぐ「パワーモジュレーター」が備わる点も同じ。F6Fのブレーキでも効きは十分ですが、F8Fのほうがグレードの高いブレーキを採用しています。

サドルは共通です。CYLVA専用設計で、サドルにかかる荷重を分析し、スポーティーでありながらお尻が痛くなりにくく、しかもペダリングの際に太ももが擦れにくいのが特徴です。

ホイール(車輪)の径はどちらも20インチですが、タイヤ幅はF6Fが幅37mm、F8Fが幅33mmという違いがあります。F6Fのタイヤは適度な太さがあり、ホイールが小さいフォールディングバイクの中では比較的優しい乗り心地。一方F8Fは、軽量なアルミフォークとも相まって、シャープな乗り味を特徴とします。

タイヤに空気を入れるためのバルブ形状も、F6FとF8Fとでは異なっています。

F6Fは日本のシティサイクルでおなじみの「英式」バルブです。一方F8Fは、細めのタイヤと高めの空気圧に対応するために、スポーツサイクルでよく使われる「仏式(フレンチ)」バルブを採用しています。なお、F8Fには英式バルブアダプターが付属しているので、英式の空気入れしか持っていなくても安心ではあります。

折りたたみ機構は、もちろん共通です。シンプルかつ、安全性が高い構造が特徴です。

スペック比較のラストに、重量について触れておきましょう。

F6F 重量:12.4kg
F8F 重量:11.6kg

このように、F6FよりF8Fのほうが0.8kg軽くなっています。

CYLVA F6F

では、F6FとF8F、乗り比べてみると、どうでしょうか。筆者の印象を記しておきます。

F6Fはマイペースで移動するのに向いているフォールディングバイクと言えるでしょう。この「マイペース」は決して「のんびり」という意味ではありません。街中をキビキビと走り、気持ちよくクルージングすることができます。この価格帯のフォールディングバイクとしては一般的か少し軽いくらいの重量ですし、各部がかっちりとした印象もあります。以前に別の記事でも紹介しましたが、日々の移動手段としてはもちろん、趣味的なフォールディングバイクの入門モデルとしても、ぴったりです。

関連記事: フォールディングバイク好きが感じたCYLVA F6Fの魅力 – BRI-CHAN

そしてF8Fは、F6Fが持っているかっちり感や扱いやすさはそのままに、軽さやシャープさを得ているのが特徴です。F6Fでもスピードを上げていくと「お、意外と速いな」と思わせますが、F8Fはさらにそこからもうひと伸びして、スポーツサイクルらしい爽快感を味わうことができます。ただし、アルミフォークと細めのタイヤにより、F6Fと比較すると乗り心地は少しハードな感じがします。

さあ、あなたはどちらの「F○F」にしますか?

●CYLVA F6F
価格:44,800円(税別)

●CYLVA F8F
価格:59,800円(税別)

リンク: ブリヂストン グリーンレーベル | 自転車 | ブリヂストンサイクル株式会社

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CYLVA F6F・CYLVA F8F リコールについて

残念なことに、CYLVA F6FとF8Fのリコールが発表されています。ユーザーの方は使用を中止し、必ずブリヂストンサイクルのWebサイトを確認してください。フレームが破損し事故に至る可能性があります。

ブリヂストンサイクル株式会社が製造いたしました折りたたみ自転車「シルヴァF6F・F8F」(以下、対象製品)について、フレーム折りたたみ部の溶接部の破損が原因で走行時にバランスを崩し転倒する事故等が発生しています。お客様の安全のため、2022年10月31日より対象製品全数の製品回収(返金)を実施いたします。

情報源: 折りたたみ自転車「シルヴァF6F・F8F」製品回収(返金)のお知らせ|重要なお知らせ 2022|ブリヂストンサイクル株式会社

[2022年11月5日 追記]

協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社