服にサイズがあるように、自転車にもサイズがあるのをご存知ですか? 今回はブリヂストン・グリーンレーベルの「CYLVA F24」を例に「自転車のフレームサイズ」について紹介します。どうしてサイズが設定されているのでしょうか。サイズによって自転車はどう異なってくるのでしょうか。
というわけで、2台のCYLVA F24を用意しました。
こちらは、マット&グロスホワイトのF24。
一方、こちらはマット&グロスブラックのF24です。
どちらも同じF24ですが、カラー以外にも見た目が異なるのがわかるでしょうか。
重ねてみるとお一目瞭然。大きさが全然違うのです。後ろの白いF24は540mmというサイズ、手前の黒いF24は390mmというサイズ。この数値はサドルのポストが挿入されている「シートチューブ」と呼ばれる部分の長さを表しています。
F24には390mm、420mm、480mm、540mmと4つのサイズが用意されているので、今回はいちばん小さなサイズといちばん大きなサイズを比べていることになります。
なぜ複数のサイズを用意しているかというと、乗り手それぞれの体格にあった自転車を提供するためです。CYLVA F24の、各サイズの適正身長(目安)は、次のようになっています。
390mm:139~154cm
420mm:151~166cm
480mm:163~178cm
540mm:175~190cm
身長が150cmの人と180cmの人とでは、身長だけでなく手足の長さも大きく異なります。服にサイズがあるように、自転車にもサイズを複数用意することで、それぞれの体格にあった乗車姿勢となり、快適なサイクリングができるのです。
390mmと540mmとでは、自転車の前フォークが通っている「ヘッドチューブ」と呼ばれる部分の長さが大きく異なります。390mmサイズのヘッドチューブ長は110mmなのに対して、540mmサイズでは160mmあります。これにより、ハンドルの高さが大きく違っています。
正面から見ても、一目瞭然ですね。
また、実はCYLVAはフレームサイズに合わせて、ハンドル幅も変更されているんです。もちろん、小さいフレームサイズではハンドルが狭めです。
390mmでは、「トップチューブ」と呼ばれるフレームの上辺が、サドル方向に大きく下がっています。こうすることで、サドル高を低く設定することができます。
トップチューブの長さも異なります。390mmサイズは水平換算で520mm、540mmサイズでは同じく水平換算で600mm。540mmサイズの方が、ハンドルが遠くなるのです。これだけ大きさが違うと、さすがに本来390mmサイズがちょうど良い人が540mmサイズに乗るのは、無理があります。
今回はいちばん小さいサイズといちばん大きいサイズの比較ですので、やや極端になっていますが、自転車のフレームサイズがどういうものかは、イメージしていただけたのではないでしょうか。今回はクロスバイクで開設しましたが、シティサイクルの場合でも、同じモデルで「26型」や「27型」などといった呼び方で複数のサイズが用意されているので、やはり体格に合った自転車を選ぶことが大切です。
また、カタログにはひとつのサイズしか写真が載っていないケースが多く、店頭でも複数のサイズが在庫していない場合、いざ自転車を買ってみたらカタログとイメージが違う……ということもあります。お店の人によく聞いたり、ネットで自転車のモデル名とサイズで検索して画像を確認してみると良いでしょう。
このように、多くのスポーツ自転車にはサイズが複数設定されています。自分の体格に合った自転車で快適なサイクリングを楽しむために、自転車を購入する際には販売店で適切なサイズを選んでもらいましょう。
text&photo_Gen SUGAI(CyclingEX)
協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社
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