ブリヂストンサイクルの歴史を作ってきた名車にスポットライトを当てる「名車紹介」シリーズ、第3回は「ロードマン」のバリエーションモデル「ロードマン・スカラ」を紹介したいと思います。
前回のこのコーナーでは、ロードマンの初代モデルを紹介しました。
リンク: ブリヂストンサイクル名車紹介:少年たちが憧れたドロップハンドル車「ロードマン」 – BRI-CHAN
ロードマンといえば、ドロップハンドルの自転車というイメージを持っている人が多いかと思います。事実ロードマンは、大人のスポーツ車の雰囲気をしっかり持ち、少年たちにとって(比較的手に届きやすい)憧れの存在だったのです。
しかし、2014年11月に発売された雑誌「BICYCLE NAVI NO.79」の特集「僕たちのロードマン」に携わる中で、あることが見えてきました。
リンク: 特集は「僕たちのロードマン」!BICYCLE NAVI NO.79 発売中 – CyclingEX
20年以上にわたって販売されていた、ロードマン。その期間の長さゆえ「どの時期にロードマンと出会ったか」によって、ロードマンに抱いている印象がまったく異なるのです。
例えば、ある人にとってはロードマンといえば赤いドロップハンドルの自転車(80年代前半)。しかし別のある人にとってみれば、イメージカラーはシルバーです(80年代後半以降)。
そして、こちらにロードマンらしさを感じる人もいます。
ロードマン・スカラ(1987)
1987年登場の「ロードマン・スカラ」です。
ドロップハンドルのスポーツ車における入門的な位置付けとして、少年たちの間で大ヒットしたロードマン。そのメイン用途はなんといっても通学です。そこで、通学車としての機能を強化したのが「スカラ(Scholar)」でした。
フラットハンドル(オールランダーハンドル)を装備し、泥除けと前後キャリア、スタンドを標準装備。これなら「ドロハン禁止」の学校でも問題なく通学に使用できます。ライトのダイナモがクランクに隠れるように設けられているあたりに、開発者の美的感覚を見て取れます。
このロードマン・スカラは、12段シフト、価格は59,800円でした。
ちなみに、前年の1986年には特別仕様として、フラットハンドル仕様とセミドロップ仕様が登場していました。
1986年の特別仕様車
そして1991年のカタログを見ると、ロードマン・スカラは限定販売車として掲載されていました。チェーンケースが備わり、より実用性を高めているように見えます。このモデルの少し前より、リアブレーキがキャリパー式からドラム式(サーボブレーキ)に変更となっていたようです。
ロードマン・スカラ(1991)
フラットハンドルやセミドロの通学自転車——これもまた、ロードマンのひとつのカタチなのでした。
現行のラインナップですと、BRIDGESTONE GREENLABELの「MarkRosa HORIZONTAL(マークローザ・ホリゾンタル)」は、ロードマン・スカラを彷彿とさせますね。
MarkRosa HORIZONTAL
リンク: MarkRosa HORIZONTAL|Mark Rosa|BRIDGESTONE GREEN LABEL
「CHeRO(クエロ)」の700Cモデルも、キャリアなどと取り付けると「スカラっぽい」感じになります。
CHeRO 700C オプション付き
リンク: CHeRO 700C|chero|BRIDGESTONE GREEN LABEL
セミドロップにカスタマイズするのも、面白いのではないでしょうか。
TEXT_Gen SUGAI(CyclingEX)
協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社