クロスバイクなどのスポーツ自転車に乗り始めてしばらく経ち慣れてきたら、体に触れるパーツをカスタマイズしてみませんか? 今回はサドル、ペダル、グリップを交換してみました。
写真と文:須貝弦(CyclingEX)
技術協力:山路篤(ドゥロワー・ザ・バイクストア)
自転車の「使い心地」に大きく影響するのが、サドルやペダル、ハンドルのグリップといった体に触れるパーツです。多くのクロスバイクの場合は快適性を重視したものが使われていますが、ある程度の期間乗っているうちに「もっとスポーティにしたい」とか、逆に「もっと快適にしたい」といった欲求も出てきます。
今回は、ブリヂストン グリーンレーベルのCYLVA F24(シルヴァ F24)を例に、標準のパーツよりも、もう少しスポーティなものに交換をしてみました。
サドルをもう少しスポーティなものに交換!
まずはサドルです。CYLVAにはスポーティさとペダリングのしやすさ、そして座り心地の良さを兼ね備えたサドルが装備されていますが、今回は「だいぶ慣れてきた」という想定で、ロードバイクやMTBに用いられる、よりスポーティなサドルに交換しました。
右がCYLVAに標準装備のサドル、そして左が今回使用する「prologo(プロロゴ)」の「KAPPA EVO」というサドルの旧モデルです。
参考までに、単体で発売されている「KAPPA EVO T2.0」は、だいたい8,000円(税別)程度の価格が付けられています。
サドルは、シートポストの「やぐら」にサドルの「レール」がボルト締めで固定されています。ボルトは1本だったり2本だったりしますが、CYLVA F24の場合は1本締めです。
というわけで、サドル交換後の様子がこちら。もともとのサドルはそれなりに使い込んでいたので、交換したことで見た目もリフレッシュ!
ちなみに今回は「スポーツ自転車に慣れてきた」という想定で、サドルを少し高くしました。変更前の状態で根本に目印となるリング状のパーツを取り付けておき、どれだけ高くしたかがわかるようにしています。乗ってみてこれで問題なければ、目印をいちばん下まで下げてしまえばよいわけです。
ペダルは食いつきの良いものに
続いてペダルも交換しましょう。
こちらは、CYLVAシリーズ共通の樹脂製ペダルです。コンパクトな形状で、革靴などでも踏みやすいフラットなデザインなので、これはこれで使いやすいものです。しかし今回は、よりペダルが足に「食いついてくる」感覚を求めて、交換します。
ペダルの脱着には「ペダルレンチ」を用います。個人でも持っておくと便利ですが、自転車屋さんはよい工具を持っているので、お願いすると早い!(もちろん工賃はかかりますが)
交換後のペダルがこちら。
アルミボディで、踏み面に突起が設けられており、靴底に食い込む感覚があります。もちろん、すべりにくいです。お店に補修用としてストックされていたものを使わせてもらいました。だいたい1,200〜1,300円(税別)くらいで買えるような商品です。
世の中には素材や形状の違いにより、さまざまなペダルが用意されています。色を選ぶ楽しみもありますよ。ちなみに上写真のいちばん右のペダルは、折りたたみ可能なもの。CYLVA F6FやF8Fには折りたたみペダルを装着するのもよいと思います。
グリップはよりスポーティーな握り心地なものに
ハンドルのグリップは、自転車に乗っている間は常に手で握っているので、その使い心地は自転車の印象を左右すると言えるでしょう。
CYLVA F24のグリップは「ごくふつう」です。まずはこのグリップを取り外します。
この「グリップを取り外す」というのが意外に面倒でして、自分でやる場合は石鹸水を用意してすべらせて………なんてやるのですが、自転車店ではコンプレッサーのエアをハンドルとグリップの隙間に送り込んで解決!作業スピードではプロに敵いません。
今回は「FIREEYE(ファイヤーアイ)」の「GooseBumps-R(グースバンプスR)」というグリップを用意しました。価格は1,800円(税別)。
左写真にあるようにアルミロックリングを備えており、ハンドルに装着してロックリングを締め込むだけで、簡単&確実に装着できます。
装着してみると、あれ、奥まで入っていない。
標準装備のグリップより長くて、ブレーキレバーに当たっていましたので、レバーの位置を調整しましょう。
しっかり取り付けできたことを確認し、エンドキャップを取り付ければ作業完了です。
グリップも、実に多彩な製品が販売されています。
フレームの色に合わせてみるなど、カラーチェンジによって自転車の印象を大きく変えることもできますよ。
機能だけでなく見た目も引き締まった!
サドル、ペダル、グリップの交換が終わったところで、全体をチェックしてみましょう。
今回、最初に選んだサドルがブラックであったため、必然的にペダルもグリップもブラックになり、ぱっと見た感じは大きな変化がありません。ただ、全体的に少し引き締まったようには思います。
グリップが新品になると、やはり気持ちがよいものです。肝心な握り心地はというと、ソリッドというかダイレクトな印象があり、自転車を操るのが楽しくなります。人によっては「ハード」に感じるそうですが、私は気に入りました。
そして、サドル。CYLVA純正と比べるとだいぶ薄くて、よりスポーティな印象です。ただ、ロードバイクやMTBのためのサドルとしてはコンフォートな部類のもので、街乗りでも結構お尻にやさしいのが特徴で、個人的にはかなり満足度が高いです。
サドルのレール部分がシルバーに変わり、よいアクセントになっているように思います。そんな細かい点も、パーツ交換の楽しみのひとつです。
最後にペダルですが、期待どおりにスニーカーの底にしっかりと食い込んでくれて「乗ってる感じ」が強まります。もちろん、毎日革靴で通勤に使うというのであれば、純正のほうが向いているでしょうね。
今回のカスタムは、派手さはありませんし、とくに高級なパーツを使ったわけでもありません(サドルは一般の感覚からすると少し高いかも!?)。それでも体に触れるパーツを機能重視で交換してみれば、自転車の使い心地が変化するのを体感できるはずです。そして、さらに愛着が湧くこと間違いなし!
●今回使用した自転車 CYLVA F24(シルヴァ F24)
価格 52,800円(税別)
製品情報 https://www.bscycle.co.jp/items/commuting/greenlabel/cylva/index.html
※3年間盗難補償付き
車両提供:ブリヂストンサイクル
技術協力:ドゥロワー・ザ・バイクストア
text&photo_SUGAI Gen(CyclingEX)
協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社