写真で見るANCHOR:スポーツ性能とコスパが良好なフラットバーモデル「RL1」

ブリヂストンのスポーツ自転車ブランド「ANCHOR」から新たに登場した「RL1」は、「チームブリヂストンサイクリング」に供給される自転車と同様に、独自の解析技術「PROFORMAT(プロフォーマット)」を用いて開発された「よく進むクロスバイク」です。そのディテールを詳しく見ていきましょう。

RL1

2021年モデルとして登場したRL1には「ALTUS MODEL(アルタスモデル)油圧式」と「ALTUS MODEL 機械式」の2種類があります。これは、油圧式ディスクブレーキと機械式ディスクブレーキの違いです。今回紹介しているのは、油圧式ディスクブレーキを搭載した「ALTUS MODEL 油圧式」です。

RL1 フレーム

フレームは、軽量で扱いやすいアルミ製です。グラフィックは、ロードバイクの「RL3」と共通のイメージです。光を反射するリフレクティブ仕様のBRIDGESTONEロゴが、控えめに入ります。

フレームのトップチューブと呼ばれる部分の後端には、ANCHORのロゴが入っています。

RL3 ダウンチューブ

ダウンチューブには、ラインの太さによってグラデーションを表現したグラフィックが入ります。これも、RL3と共通のイメージです。

RL1 ボトルケージ台座

ボトルケージ台座は、ダウンチューブとシートチューブに備わっています。夏場に「ダブルボトル」にすることもできます。

フレームの後部は、シートステーと呼ばれる部分がゆるいカーブを描いているのが特徴です。こうすることで、路面からの突き上げを和らげて乗り心地がよくなる効果があります。また、フレームはブリヂストン独自の解析技術「PROFORMAT」を用いて開発されており、ペダリングの力が効率よく推進力となるように設計されています。

RL1 フォーク

フロントフォークはアルミ製。

フラット形状のハンドルを装備。シフト段数はフロント3段×リア8段で、左側にフロントの変速レバー、右側にリアの変速レバーが備わります。ハンドルグリップはシンプルです。

RL1 サドル

サドルは、中央に溝が設けられたタイプ。スポーツ自転車のサドルしては座り心地は良好で、かつ普段着でもペダリングしやすくなっています。

RL1 シートクランプ

シートポストを固定する「シートクランプ」は、アーレンキーを用いるタイプです。

RL1 ペダル

ペダルは、ブリヂストンのクロスバイク等でよく使われている、樹脂製のもの。靴底が痛みにくく、普段使いに適しています。

RL1 タイヤ

タイヤは、ブリヂストンのLIBERQ(リベルク)です。タイヤ内部にパンク防止ガードが入っているので、通勤や通学などでも安心。タイヤサイズは、クロスバイクとしてはごく一般的な、700×32C。それまでシティサイクルしか乗ったことがない人でも、怖さを感じることなく扱える太さでしょう。

ハンドル周りの写真とともに紹介した通り、シフト段数はフロント3段×リア8段。シマノ製の「アルタス」という変速部品を採用しています。フロントギアにはギアガード(チェーンリングカバー)が付いているので、ギア板がむき出しのものよりはズボンの裾が汚れにくくなっています。

フレームをよく見ると、後ろの変速機(リアディレイラー)近くに「RL1」のロゴが入っていました。

RL1 ブレーキ

RL1の機能面におけるハイライトのひとつ、ディスクブレーキです。ブレーキがホイールの中心近くにあるので(路面から遠い)、雨の日でも水の影響を受けにくい、つまり雨の日でもブレーキの力が落ちにくいのが特徴です。今回紹介している油圧式モデルは、このディスクブレーキを油圧でコントロールしています。

RL1 QR

中央に見えるレバーは、ホイールを固定するもの。いわゆる「クイックレバー(QR)」と呼ばれ、クロスバイクでは一般的なタイプです。

RL1 スタンド

RL1には、リアのキックスタンドが標準装備されています。また、今回写真はありませんが、ヘッドライトとカギも付いてきます。

RL1 スタンド台座

スタンドは、フレームに設けられた台座にスッキリと取り付けられています。スポーツサイクルではスタンドを付けないことも多いのですが、あればやっぱり便利です。

RL1

今回、短い時間ですが試乗することもできました。完成車重量は11kg台で、ディスクブレーキ搭載のクロスバイクとしては標準的なところですが、漕ぎ出したときの印象は軽やかで、スムーズに加速していくのが好印象です。

また、コーナリングの軽快感も高く感じます。フレームの設計自体がCYLVA F24やFR16よりもスポーツ走行寄りのものになっていることが効いているのでしょう。そして「ちゃんと整備されていること」が前提にはなりますが、油圧ディスクブレーキは扱いやすく、安心して止まることができます。

走る・曲がる・止まる——がしっかりしており、質感も十分。しかも、クランク、チェーン、ブレーキ、ハブ、BB(ボトムブラケット)など、細部まで信頼性の高いシマノ製パーツを採用した、いわゆる「フルシマノ」仕様であることも特徴ですし、さらにはアンカーブランドでは初の3年間盗難保証まで付いています。これで税別60,000円という価格設定は、かなりお買い得感が高いと言えるでしょう。

RL1

気になる点も、ありました。ライトやカギ、キックスタンドが標準装備されていて、利便性の高さが強調されているRL1ですが、実はフェンダー(泥除け)の選択肢が極めて少ないです。とくにフロントは、ロードバイク用に発売されている台座を一切使わないタイプが必要でしょう。リアも、シートポストに取り付ける簡易的なフェンダーがもっとも現実的です。

RL1は「クロスバイク」と謳っており、実際にクロスバイクらしい扱いやすさをもっていますが、その中身は「フラットバーロードバイク」に近いと言えるかもしれません。そして、限りあるコストの中で、ライトやカギ、キックスタンドといった実用性は確保しつつ、残りは「走り」に振った……そんな自転車ではないでしょうか。

●今回紹介した自転車:ANCHOR RL1 ALTUS MODEL 油圧式
フレームサイズ:420mm、470mm、520mm
カラー:オーシャンネイビー、フォレストカーキ、ストーングレー、ヘイズホワイト
重量:11.3kg(470mm、ペダル付き)
価格:60,000円(税別)
※ワイヤー錠、LEDランプ(ヘッドライト)、ベル、リフレクター付属
※3年間盗難補償付き

リンク: RL1 | ALL LINE UP | アンカー | ブリヂストンサイクル株式会社

[2021/6/2 追記]
関連記事: ANCHORのクロスバイク「RL1」を自転車通勤仕様にカスタム! – BRI-CHAN

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協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社