ANCHOR RP9の先祖!? エアロデザインのオールラウンダー「ARCP」と初代「RHM9」

ブリヂストンのスポーツバイクブランド「ANCHOR(アンカー)」から、2022年モデルとして新たに「RP9」が発表されました。エアロ性能も高めた、オールラウンドなレーシングバイクです。ところで、今から20年以上前にもANCHORから「エアロ性能を高めたオールラウンダー」があったのをご存知ですか?

photo_ブリヂストンサイクル

ANCHORが世界を相手に戦うトラックバイク(トラック競技向けバイク)の開発で得たノウハウを存分に投入し、空力・剛性・重量のバランスを高めて「ステージレースを1台で戦える」バイクに仕上がった、新型RP9。

リンク: RP9 | ALL LINE UP | アンカー | ブリヂストンサイクル株式会社

今回の記事では、その先祖とも言える過去モデルを紹介します。

ARCP

まずは、ANCHORで初のカーボンモノコックフレームとして1999年に登場した「ARCP」です。

今回紹介しているカタログ画像は、2000年モデルのものです。ANCHOR初期のフラッグシップモデルとして記憶に残っている方、そして「乗っていた」というベテランライダーもいらっしゃるのではないでしょうか。

ショック吸収性能の高さ、加速性能の高さはもちろん、風洞実験のデータをもとに設計されたエアロデザインも大きな特徴でした。

当初はスレッドフォークということもあり、今改めて見ると時代を感じさせる部分は多々あります。しかし、全体的なシルエットを見ると、昨今のエアロロードや、エアロ性能を重視しオールラウンダーと謳うロードバイクにも通ずるものがあります。

フレームの剛性感が「ミディアム」と「ライト」から選べたり、フロントフォークもベント形状とストレート形状が用意されていたのも特徴。

チームブリヂストン・アンカーが使用し、藤野智一さんが1999年の全日本選手権を制したほか、当時は「日本鋪道-ベッソンシューズ」にも供給されていました。

ARCPはその後モデル名を「RCP」としたり、アヘッド化されたりとマイナーチェンジが行われています。そのモデルライフの間、全日本選手権やツール・ド・北海道の勝利バイクとなりました。

RHM9

2003年モデルで、ANCHORのカーボンフレームは大きく進化します。初代「RHM9」の登場です。

フレームのトップチューブが後方へ下がっていく「スローピング」デザインとなった点が目につきますが、使用されるカーボン素材はHM(ハイモジュラス)カーボンとなり、より軽く、高剛性になりました。インテグラルヘッドも採用されて、ヘッド周りがすっきりしています。

当時のカタログ写真を見ると、やはり採用されているパーツに時代を感じさせますが、フレームは現在の製品に通ずるものがあります。

4種類のレーシングカラーが用意されていました。ブラック/レッド/ホワイトのレーシングブラックは、ブリヂストンのイメージカラーですね。そして、この2003年モデルのみ、ゴールドの限定カラーがありました。筆者の記憶が正しければ、藤野智一さんが引退するときに乗っていたカラーです。

この初代RHM9は、2006年モデルまで継続されました。その後登場した2007年モデルでは2代目にモデルチェンジし、エアロ形状ではなくなっています。


さて、改めてRP9。

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すでに国内のレースではチーム ブリヂストン サイクリングの活躍により勝利バイクとなっており、今後もどれだけ勝利を挙げられるのか注目です。そして、シマノの新型アルテグラを搭載した完成車なら660,000円(税込)で手に入るということもあり、アマチュアレースでの活躍にも期待したいですね。

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text_SUGAI Gen(CyclingEX) カタログ写真提供_ブリヂストンサイクル

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