自転車の達人に聞いてみた!「フルシマノってどういう意味? 何が良いの?」

クロスバイクがほしいと思ってインターネット上でさまざまな情報を見たり、実際に販売店に行ってみたりすると見聞きするのが「フルシマノ」という言葉です。「このクロスバイクはこの値段でフルシマノだから、良いよ!」といったような使われ方をします。でも「フルシマノって何?」「フルシマノってそんなに良いの?」と思っている人もいることでしょう。

そこで今回は、この「フルシマノ」にスポットを当ててみました。

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シマノ製のフロント変速機とギヤクランク(CYLVA F24)

●シマノって何?

まずは「シマノ」について。

シマノとは、日本、いや世界を代表する自転車部品のメーカーです。自転車に使われる前後にギアやブレーキ、ホイールのハブ(軸)などさまざまな部品(コンポーネント)を作り、それを各自転車メーカーに供給したり、パーツ自体を販売したりしています。シマノの部品は日本はもとより、世界中で使われています。

リンク: シマノ・自転車部品

シマノという会社名を聞くと、釣り具を思い浮かべる人も多いでしょう。自転車のシマノと釣り具のシマノは同じ会社ですが、そもそもの発祥は自転車部品なんです。

●フルシマノって何?

そして「フルシマノ」という言葉ですが、これは、自転車に使われる変速機やブレーキといった主要な部品、いわゆる「コンポーネント」が、シマノ製で統一されているということを指して、メーカーや販売店、自転車マニアなどが使うものです。具体的には、下記の部品がシマノ製だと、一般的には「フルシマノ」と呼ばれます。

  • フロントディレーラー
  • クランク&チェーンリング
  • リアディレーラーとカセットスプロケット
  • ブレーキ&ブレーキレバー

●フルシマノだと何か良いことあるの?

冒頭で紹介した「このクロスバイクはこの値段でフルシマノだから、良いよ!」というフレーズ。フルシマノだと、いったい何がいいのでしょうか。自転車の達人に聞いてみましょう。お話を伺ったのは、神奈川県藤沢市、江ノ島のすぐ近くで体験型サイクリングプログラムを提供している「リンケージサイクリング」の田代恭崇(たしろ・やすたか)さんです。

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リンケージサイクリングの田代恭崇(たしろ・やすたか)さん

田代さんは、ブリヂストンサイクルのレーシングチーム「ブリヂストン・アンカー」で、ロードバイクの選手として活躍、全日本選手権の優勝や2004年夏季アテネ五輪の代表など、輝かしい経歴の持ち主。引退後はブリヂストンサイクルでGREENLABELの商品企画などに携わり、2014年に自らの会社「リンケージサイクリング」を設立。現在はサイクリングの魅力を伝えるために幅広い活動を行っています。中でも、まだスポーツ自転車を持っていない人でも参加できる「体験サイクリング」は、大人気のメニューです。

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サイクリングを引率する田代さん

幅広い視野と経験を持つ田代さんから見た、シマノ製パーツの良さとはなんでしょうか。

「初めて乗ったスポーツ自転車のコンポーネントは、正直なところ何だか覚えてはいないのですが、プロの選手になる前からシマノを使っていたのは確かです。そしてプロになってからも、ずっとシマノを使っていました。シマノの良さはなんといっても、ダントツの精密さではないでしょうか。変速するスピードは素早く、まさに精密機械。使っていて安心できるのはシマノですね。もちろん他のメーカーの製品を使ったこともありますし、シマノよりも所有欲を満たすものがあるのも確かですが、性能を比べたらやっぱりシマノです」

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シマノ製のリア変速機(CYLVA F24)

●「シマノ製の安心感は頭ひとつ抜け出ている」

リンケージサイクリングには、たくさんのレンタサイクルが用意されています。田代さんは、レンタサイクルとして導入したクロスバイクやロードバイクのコンポーネントにシマノ以外の製品が混ざっていた場合は、なるべくシマノ製に交換して統一しているそうです。その理由を伺ってみました。

「シマノ製以外の安価なコンポーネントが使われていたり、それらとシマノ製がミックスされていたりすると、やはり性能が落ちるんです。例えば、ギアチェンジしたときにスムーズに決まらなかったり、ブレーキの効きがシマノ製と比べて劣っていたり。リンケージサイクリングで導入するスポーツサイクルは、お客様に安心して乗っていただきたいので、シマノ製以外のコンポーネントが付いていたとしてもシマノ製に交換しています」

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シマノ製のブレーキレバー(CYLVA F24)

現役時代はシマノしか使ってこなかった田代さんですが、引退後にいろいろなものを使うようになって、改めてシマノの良さがわかったと言います。それは、ビギナーでも感じ取ることができるそうです。

「初めて乗る人でも、とくにブレーキの性能は、シマノ製とそれ以外の違いをはっきりと感じることができると思います。もちろん、どのメーカーのブレーキでも止まることはできます。しかし、シマノ製の安心感は頭ひとつ抜け出ているんです」

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シマノ製のブレーキ本体(CYLVA F24)

●日本ブランドならではの細かさが魅力

シマノ製の部品が確かな性能と安心感を持っている理由は、精度にあるのではないかというのが、田代さんの考えです。

「実は、いわゆるフルシマノだと、シマノ以外のもの、そしてシマノとその他のものがミックスされているものと比べて自転車のセッティングも早く済むんです。シマノの製品は工業製品として高い精度を持っていて、しかもシマノで統一することでより性能を発揮することができます。やはり、日本のブランドであるというのは大きいのではないでしょうか。シマノも海外生産をしているので、すべてがメイド・イン・ジャパンというわけではありませんが、日本のものづくりに対する考え方、日本の要求水準でやっていて、良い意味での細かさを感じます」

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CYLVA F24に使われているシマノ製パーツ

ブリヂストンのGREENLABELを代表するクロスバイクで、このサイトでもすでに何度か紹介している「CYLVA F24(シルヴァ・F24)」も、主要なパーツをシマノ製で固めた、安心スペックの1台です。上の画像は、CYLVA F24のどの部分にシマノ製部品が使われているかを示したものです。

「シマノもブリヂストンサイクルも、どちらも日本のブランドですし、ものづくりの姿勢には似たところもあると感じます。このふたつのブランドが重なることによる安心感が、CYLVA F24にはありますね」と、田代さんは言います。

自転車のプロがどうして「フルシマノ」を勧めるのか、田代さんのお話からその理由がよくわかりました。クロスバイクを選ぶ際には、見た目の良さや価格なども大事ですが、安心して使える「シマノ」のパーツがたくさん使われているかどうかも、ぜひチェックしてみてください。

取材協力:リンケージサイクリング

リンク:ブリヂストン グリーンレーベル

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協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社

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