ブリヂストンサイクル名車紹介:1980年代に街を席巻した「カマキリ」

1980年代のブリヂストンサイクル、そしてこの年代のシティサイクルを代表するモデルのひとつが「カマキリ」です。1980年に発表されたこの自転車は、大胆なアップハンドルとシンプルなデザインで人気モデルとなり、他社にも大きな影響を与えました。

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ちょうど筆者が小学生の頃に大ヒットしており、カマキリという名前は当時から知っていました。近所の高校の、ちょっとツッパった感じのお兄さん方が揃いも揃ってカマキリに乗っており、当時はちょっと「悪っぽい」印象を抱いていたのも事実です。

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しかし、当時から30年以上の時を経てカマキリを見ると、実にシンプルで、洒落っ気のある自転車であることがわかります。

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特徴的なアップハンドルと、パフっと鳴らすホーン、すてきです。

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今回紹介しているのは、「カマキリG」という24インチのモデルです。

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ペダルを逆回転させるとリアハブ内のブレーキが作動する「コースターブレーキ」を採用しているので、リアのブレーキレバーがありません。おかげでスッキリとしたシルエットになっています。

シンプルゆえに価格が安かったこと、そして何よりもこのスタイルが受け、カマキリは通学車としても大ヒットします。

実は、カマキリを開発した方は、同じくブリヂストンの「ロードマン」シリーズの全盛期を支えた人物でもあります。筆者が雑誌「BICYCLE NAVI」に執筆した記事が、産経デジタル「cyclist」にも掲載されています。

「上司から、ヨーロッパのパーツを使ったロードマンを開発しろと言われたのですが、何か違うな…と。そこで私は人々の生活に目を向けました。そのとき気づいたのが、ファッション性です。ファッション性を重視した商品として私が開発し80年に発売したのが、あの“カマキリ”でした。ニッキュッパのカマキリは、ヨンキュッパのロードマンに替わって、通学車として定着していくことになります」

情報源(残念ながらリンク切れ): “ミスター・ロードマン”が語る累計販売150万台の秘密 ブリヂストンサイクル渡部裕雄さんインタビュー – cyclist

「ファッション性」という着眼点から生まれたカマキリは、ブリヂストンサイクルの大きな柱へと成長していくこととなりました。そして現在の「GREENLABEL」がそうであるように、街乗り自転車にファッション性は欠かせない要素となっていくのです。

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協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社

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