ブリヂストンサイクルから発表された新しい電動アシストクロスバイク「TB1e」を、写真とミニインプレッションで紹介します。
毎日の通勤や通学のためのクロスバイクとして人気の「TB1」。その電動アシストバージョンとして登場したのが「TB1e」です。
ついに登場したデュアルドライブ搭載電動アシストクロス
軽量なアルミフレームとスポーティーなルックスは、非電動アシストのTB1と共通のイメージ。大きなBRIDGESTONEロゴが配されているのも、同じです。
フレームのシートチューブと呼ばれる部分の後ろにバッテリーが搭載されているので、ひと目見て電動アシスト自転車であることはわかります。しかし、チェーンリングの反対側は意外とあっさりしたもの。一般的な電動アシスト自転車や近頃流行の「E-BIKE」と呼ばれるようなスポーツ電動アシスト自転車は、クランク部分にモーターを配置することが多いのですが、TB1eは異なります。
TB1eは、前輪のハブにモーターが内蔵されています。そう、ブリヂストンサイクルが近年各モデルに採用している「DUAL DRIVE(デュアルドライブ)」なのです。ペダルを漕ぐ力はそのままチェーンに伝わり後輪を駆動、そしてアシストモーターが前輪を駆動する「両輪駆動」の電動アシスト自転車です。
「スマートワンタッチパネル」と名付けられた操作パネルは、実にシンプルで扱いやすいもの。「MODE」ボタンでエコモード/オートモード/パワーモードを切り替え可能。ライトのスイッチも搭載されています。
ブレーキは前輪がクロスバイクで一般的なVブレーキ、後輪が天候に左右されないローラーブレーキで、この組み合わせは非電動アシストのTB1と同様。前ブレーキが効きすぎないように調整する「パワーモジュレーター」も付いています。
また、左のブレーキレバーを握ると前輪モーターが発電する「ブレーキ回復充電機能」が搭載されており、その際の抵抗によってスピードが抑えられます(モーターブレーキ)。
リア7段変速を搭載。変速器をぶつけてしまわないように、ガードが備わっています。変速操作は手元のレバーで行います。
サビに強く耐久性が高い「ステンガードチェーン」を装備。日々のハードな使用に耐えます。
サドルは、中央に少し溝がある、スポーティなデザインのもの。しかし肉厚がしっかりあるので、座り心地は快適です。
実用装備も充実
タイヤサイズはシティサイクルでおなじみの27インチ。耐久性が高い「ロングレッド」が標準装備されています。空気が減ってしまった状況でもひび割れが起きにくいという特徴があります(もちろん、空気は日々ちゃんと入れてあげるのが大前提)。
タイヤ側面の三角マークを目印にしてタイヤの溝を見ると、うっすらと溝が浅いところがあります。これは摩耗インジケーターです。長期間使用していると、この摩耗インジケーター部分の溝がなくなり、タイヤ交換の目安となります。
サイドスタンドや前後のフェンダー(泥除け)といった実用装備もばっちり。
バッテリーから電力供給される、明るいLEDヘッドランプも搭載されています。ハンドル上に装着されていますが、オプションのフロントバスケットを装着する際には、バスケットと干渉しない場所に移設可能です(オプションのバスケットに専用ブラケットが付属)。
フレームのダウンチューブと呼ばれる部分には、ボトルケージ台座が備わっているので、ボトルケージ(ドリンクホルダー)を装着できます。
もちろん、サークル錠も備わっています。
1充電あたり走行距離目安は最長130km!
1充電あたり走行距離は、下記のとおりです。
※標準走行パターン(業界統一基準)
エコモード | オートモード | パワーモード |
---|---|---|
130km | 90km | 54km |
この長い走行距離を実現する上で欠かせないのが「走りながら自動充電」です。
「走りながら自動充電」は、左ブレーキをかけた時に働く「ブレーキ回復充電機能」、ペダルを漕がない状態で、ペダル停止時の速度または左ブレーキレバーを離した時の速度を上回る場合に働く「下り坂自動回復充電機能」、そして走行中にペダルを停止した場合に働く「平地自動回復充電機能」の3つを総称したもの。
「走りながら自動充電」により、充電回数が少なく済む、もしくは1回の充電でより遠くまで行けるというメリットがあります。
リンク: ブリヂストンの両輪駆動は、走りながら自動充電 | ブリヂストンサイクル株式会社
TB1の走行性能+デュアルドライブ=乗りやすい!
さて、短い時間ではありますがTB1eに試乗できたので、その様子もお伝えします。
ブリヂストンサイクルのデュアルドライブはアシストモーターが前輪に備わっているため、「前から引っ張ってもらえるような感覚」が特徴です。オートモードにセットしてペダルをひと漕ぎすれば、Tb1eは実に力強く発進していきます。
もちろん「怖い」などということはなく、多くの人が電動アシスト自転車に期待する力強さが、その期待どおりに実現できていると感じます。
そして、電動アシストではないほうのTB1がもっている素直な走行性能が、このTB1eにも受け継がれています。つまり、フレームはしっかりしていて、走行安定性能もばっちり。ほどよくスポーティな雰囲気を味わうことができます。シティサイクルタイプの電動アシスト自転車に「確かにアシストしてくれているけど、なんだかやさしすぎる」といった不満を抱いている人であれば、まさにぴったりでしょう。
電動アシスト自転車で気になるのは、やはり登坂性能ではないでしょうか。今回は東京タワーのある坂を登ってみましたが、ふつうの自転車であればそれなりに頑張らなくてはこなせない坂を、鼻歌交じりで登ることができるのはやはり気分がよいものです。「エコモード」で登ると速度は落ちますが、軽いギアにしてクルクルとペダリングすればOKです。
下り坂では、左ブレーキをかけるとスマートワンタッチパネルにクルクルと回る模様が現れ、回復充電機能が働いているのがわかります。回復充電機能は走行抵抗となりモーターブレーキとしても機能するので、下り坂でも安心感があります。
そして最後に触れておきたいのが「アシストオフでも、まあまあ走る」ということ。万が一充電が切れてしまったときでも、自分の力で走ることができるのは安心です。
「ほどほどにスポーティ」がちょうどよい
最近はスポーツタイプの電動アシスト自転車、つまりE-BIKEが増えていますが、ブリヂストンサイクルはこのTB1eをE-BIKEとして売り出しているわけではありません。ベースとなるTB1の存在もありますが、あくまでも「スポーティーな電動アシストクロスバイク」です。
でも、それくらいが「ちょうどよい」と感じる人も多いようです。価格も129,800円(税別)と手が出しやすいですし、1充電で最長130kmのアシスト走行が可能という、わかりやすいメリットもあります。意外に——といったら失礼かもしれませんが、TB1eのような電動アシスト自転車は、多くの人に求められていると言えるでしょう。
カラーバリエーション
価格
129,800円(税別、3年間盗難補償およびフリーケア・プログラム付き)
スペシャルサイト: 新型電動クロスバイク TB1e(ティービーワンe) | ブリヂストンサイクル株式会社
製品情報: TB1e | [通学・普段使い自転車]通学・通勤向け自転車 | 電動アシスト自転車 | ブリヂストンサイクル株式会社
text&photo_SUGAI Gen(CyclingEX) 製品写真提供:ブリヂストンサイクル
協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社
TB1eに※FREE POWERの装着は
技術的に可能でしょうか?
※FREE POWERの説明では不可とありますが
是が非でも装着したいと考えます…..
コメントありがとうございます。私どもはFREE POWERのメーカー・販売店でもなければ、ブリヂストンサイクルの公式でもございませんので、情報がございません。そもそも電動アシスト自転車に装着するとトルク検出が正しく行われない可能性があるかと思いますが、ご希望の車種にFREE POWERなるものが取り付け可能かどうかは、FREE POWERの発売元および取り付け作業を行なっている販売店にお問い合わせください。