クロスバイクは、スポーツ性能と日常での使いやすさを併せ持った自転車です。そのため、シティサイクルでは標準装備されているものが、クロスバイクではオプションとされていたり、社外品を用いて実現する必要があったりということも少なくありません。今回は、そんな装備の代表格である「ドロヨケ(フェンダー)」に注目してみます。
例えば、こちらの「MARKROSA 7S」。
クロスバイクともシティサイクルとも解釈できる自転車ですが、スポーティな走行性能をもたせつつも日常での使い勝手を重視していて、前後のドロヨケはかなりしっかりしたものが最初から取り付けられています。
雨の日や雨上がりでも乗る人にとっては、ドロヨケは必須装備ですよね。
一方、いかにもクロスバイクらしいクロスバイクと言える、XB1。
リアのスタンド、バッテリーライト、カギ(ロック)が標準装備されていて「すぐに乗れる」のが特徴ですが、さすがにドロヨケまでは付いていないのです。
とはいえ、何も考えられていないかというと、そんなことはありません。純正オプションでドロヨケが用意されているのに加えて、ブリヂストンサイクルやその他のメーカー・ブランドから発売されている簡易ドロヨケ(簡易フェンダー)を取り付けることもできます。
XB1にブリヂストン純正「ドロヨケセット」を取り付けてみる
ではさっそく、XB1に純正オプション「ドロヨケセット」を装着した状態をお見せしましょう。
はい、皆さんが期待する「前後にドロヨケが付いているクロスバイク」です。このように、前後に装着し、かつ車輪をしっかり覆うものを「フルフェンダー」と呼んだりもします。
XB1には、このようなタイプのフェンダーを取り付けるためのネジ穴が設けられています。そして今回取り付けたフェンダーは純正品ということもあって、まさにジャストフィットです。
フルフェンダーのメリット
フルフェンダーと呼ばれるドロヨケのメリットは、なんといっても「地面からの水や泥の跳ね上げを防いでくれる」こと、つまり「汚れない」ことです。
雨の日や雨上がりに、ドロヨケがない自転車で走行すると、タイヤが跳ね上げた水や泥で、背中やお尻、ズボンなどが汚れてしまいます。とくに未舗装路を走った際は、大変なことになってしまいます。
フルフェンダーの場合は、背中やお尻はもちろん、前輪もしっかり覆うことで足もとが汚れにくくなります。また、自転車が汚れるのも、ある程度防いでくれます。
フルフェンダーのデメリット
ドロヨケの性能としては文句がないフルフェンダータイプの泥除けですが、「取り付け/取り外しが面倒」という点はデメリットと言えるでしょう。
ドロヨケをフレームに取り付けるためには、ステーをねじ止めしなくてはなりません。また、ドロヨケに穴あけ加工が必要なケースもあります。今回使用したドロヨケも、リア用の取り付けには穴あけ加工が必要です。バッチリと取り付けるためには、自転車店に依頼するのがベターと言えるでしょう。
メーカー純正品ではないフルフェンダーを用いる場合は、より多くの「現物合わせ」が必要となるケースもありますし、製品の選択を間違えると「うまく取り付けできなかった」ということも、起こり得ます。
XB1に「ロードバイク用リヤフェンダー」を取り付けてみる
続いて、ブリヂストンサイクルの「ロードバイク用リヤフェンダー」をXB1に取り付けてみましょう。このタイプのドロヨケは「簡易ドロヨケ」とか「簡易フェンダー」などとも呼ばれます。
自転車のシートポストに取り付ける、簡易的なドロヨケです。この製品は「ロードバイク用リヤフェンダー」という名称ですが、シートポスト径が25.4~31.6mm、タイヤサイズが700×23C~35Cであれば、クロスバイクにだって利用できます。
泥除けの長さは、フルフェンダーと呼ばれるタイプには及びません。このあたりが「簡易」とされるゆえんです。
簡易フェンダーのメリット
さて、簡易フェンダーと呼ばれるタイプのメリットとしてまず紹介するのは、「取り外しが簡単」であるということです。
ブリヂストンサイクル「ロードバイク用リヤフェンダー」の場合、取り付けに六角レンチを必要とはするものの、角度調整も含めてものの数分で取り付けが完了します。もちろん、取り外すのも同様です。「使いたいときだけ使う」ということもできます。また、タイヤサイズが適合範囲内で丸形状のシートポストの自転車なら、車種を問わず容易に使いまわせるのは、簡易フェンダーならではのメリットでしょう。
クロスバイクのスポーティな印象を損なわないことも、メリットとして挙げられでしょう。フルフェンダータイプに比べれば、ずっと軽快な印象です。
フルフェンダーに比べて、価格が安いのも魅力です。今回の例のようにリアだけ取り付けるなら、より出費を抑えられます。
そして何より、このような短いフェンダーをリヤに取り付けるだけでも、雨の日の水跳ねや泥跳ねを結構防いでくれるということも忘れてはなりません。
簡易フェンダーのデメリット
一方、簡易フェンダーのデメリットはなんでしょうか。
それはやはり、フルフェンダーには及ばないということでしょう。つい先ほど『このような短いフェンダーをリヤに取り付けるだけでも、雨の日の水跳ねや泥跳ねを結構防いでくれる』と書いたばかりですが、写真を見て分かるとおりフルフェンダーとの長さの違いは歴然としています。これは、他メーカー・ブランドの製品でも、多少の差はあれど、大きくは変わりません。
ニーズに合わせてドロヨケを選ぼう
フルフェンダータイプのドロヨケにするか、簡易フェンダータイプのドロヨケにするかは、自転車をどんなふうに使うかによって変わってくるでしょう。
毎日クロスバイクに乗る、雨の日も構わず乗るという人であれば、フルフェンダーに勝るものはありません。一方で「必要なときだけ使いたい」という場合や、クロスバイクのスポーティな印象をなるべく損なわいカタチでドロヨケを取り付けたい場合は、簡易フェンダーが現実的な選択肢です。
ニーズに合わせて、最適なフェンダーを選びましょう。
■今回紹介した製品
クロスバイク:XB1(税込72,000円) ※3年間盗難補償付き
リンク: エックスビーワン | スポーツ向け自転車 | 自転車 | ブリヂストンサイクル株式会社
フルフェンダー:ドロヨケセット(税込9,306円)
製品情報は上記XB1のページから
簡易フェンダー:ロードバイク用リヤフェンダー(税込2,321円)
リンク: ロードバイク用リヤフェンダー | BCSP – Bridgestone Cycle Sports Part | BRIDGESTONE
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協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社