カメラを携えて引地川沿い10kmサイクリング

日本中、至るところにある「川」。その川沿いに自転車で10km走ってみれば、さまざまな発見があります。今回はミラーレス一眼を携え、神奈川県大和市を流れる引地川に沿って走りました。

厚木基地(と言いつつ、大和市と綾瀬市にまたがって存在する)の近くから江ノ島方面に向かって流れる、引地川。今回は大和市の「ドゥロワー ザ・バイクストア」をスタートし、小田急江ノ島線線桜ヶ丘駅から近い「御嶽橋」から引地川沿いに入りました。

橋の欄干には「ひきぢがわ」と川の名前が書かれています。ただし、行政上は「ひきじがわ」というふりがなで、ちょっとややこしい。

このあたりの引地川は、住宅地の中ではありますが、意外と谷が深い地形になっており緑も多いので、ちょっとした渓谷のような雰囲気があります。右手の高台が厚木基地だとは(ヘリや航空機の音がなければ)思えません。

そんなことを思いながら川面を眺めていたら、橋の下をカワセミが通り過ぎて行きました。うーん、もうちょっと近くに止まって欲しかった!

このあたりの川沿いには桜並木が続いており、地名にちなんで「福田千本桜」と呼ばれています。

緑に囲まれた、すてきな空間が続いています。

写真を撮りながら下流に向かうわけですが、止まってばかりでぜんぜん進みません。まあ、たまにはそういうのもありでしょう。

かなり歴史がありそうな、道祖神と祠、石塔など。

8月下旬のこの日も例によって強烈な暑さでしたが、桜並木は日陰を生み出しており、ちょっとした救いでもあります。川の中はさぞ気持ちがよいことでしょう(入りませんが)。

しばらく下流へと進むと、桜並木が終わります。川幅が広がり、空も開けてきました。水面を覗くと、オイカワの群れが見えました。

実は、今回はオイカワの姿を捉えてみたくて、カメラのレンズに「PLフィルター」を装着してきたのです。ズーム倍率が足りないので限界はありますが、それでも川の流れの中を泳ぐオイカワを、なんとか収めることができました。

さあ、もっと下流へと進みます。川沿いはときどき未舗装路になりますが、700×32Cタイヤを標準装備したクロスバイク「XB1」なら、そんなに慌てることもありません。

途中で、東海道新幹線のガードをくぐります。その近くには親水公園があり、獲物を狙う大きなアオサギがいました。また、アメリカンドックのような、もしくは「うまい棒」のような——とでも言いたくなるような、ガマの穂を見つけました。

ところで、東海道新幹線が引地川を越えるのは、小田急江ノ島線・高座渋谷駅の近く。ドゥロワー ザ・バイクストアや御嶽橋の最寄駅である桜ヶ丘駅から、ひと駅しか離れていません。

この時点での走行距離は、4.5kmほど。川沿いにうねうねと進んでいるので直線距離(約3.4km)よりはありますが、まだ目標である10kmの半分に届いていません。

少しペースを上げて進んでいくと、田園風景が目立つようになってきました。後からわかったのですが、すでに大和市から藤沢市に入っていました。

途中、無機質なコンクリートの橋が気になりました。長後中分橋、という橋のようです。コンクリートの塊そもものなのですが、なんとも言えない趣もあります。

ここでふたたび、川の中のオイカワにカメラを向けてみました。上の写真はトリミングして少し色調補正をしたものですが、オイカワの婚姻色(繁殖に季節だけオスに見られる鮮やかな色)がよくわかります。

「藤沢総合高等学校」という看板を見て、ようやく藤沢市内にいることを自覚。

蓼川という支流との合流地点から下流に向けて、遊水池と公園の工事が進んでいます。このあたりはちょっと道に迷いやすく、注意が必要です。

そうこうしているうちに……。

GPSサイクルコンピューターの走行距離が、10kmを占めしました。ここは、どこだ?

まったく土地勘がないのですが、馬渡橋という橋の上で、ちょうど10km。小田急江ノ島線や相鉄いずみ野線、横浜市営地下鉄ブルーラインの湘南台駅から南に1.5kmほどのところでした。

片道10kmを、2時間弱かけてゆっくりと進むサイクリングでしたが、景色の変化を存分に楽しむことができました。なんとか婚姻色のオイカワも撮影できたので、満足です。

●今回使用した自転車「XB1」
価格:72,000円(税込) ※3年間盗難補償付き
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