スポーツ自転車の中でも自転車通勤との相性が抜群のクロスバイクですが、いざ通勤に使おうとすると、いくつかハードルがあるのは事実です。そしてそのハードルをなくし、スーツ姿でも楽しく自転車通勤できるように配慮された自転車が「PRESTINO(プレスティーノ)」です。
PRESTINOが発売されたのは、2000年代中頃から流行りつつあった自転車通勤が、より盛り上がってきた2008年のこと。ターゲットはずばり男性ビジネスマンで、上のリーフレット画像にあるように「ジェントルマンの自転車、プレスティーノ。」なんていうキャッチコピーが付けられていました。
ハード面では、自転車通勤に必要なものがすべて備わっているのが特徴でした。ハブダイナモまたはダイナモ式のヘッドランプ、700Cホイールよりも径が大きくて巡航性能に優れる27型のホイール、前後の泥除け、スタンド、そしてビジネスバッグが入るフロントバスケット(前カゴ)、駐輪時に必須なスタンドなどが、標準装備されていたのです。
そして最大の特徴は「スマートベルトドライブ」でした。人間がペダルを踏み込む際のトルク変動に合わせた楕円ギアと、ベルトの張力を最適に保つV字テンショナーを組み合わせたものでした。
チェーン外れや油汚れと無縁のベルトドライブは、通勤用自転車にぴったりの装備と言えるでしょう。
2008年当時、PRESTINOには次の3グレードが用意されていました。
内装3段変速とダイナモランプを装備するベーシックな「PS73B」。当時の価格は38,857円(税別)でした。
PS73Bをベースに、ハブダイナモ式のオートライト「点灯虫」を装備した「PS73BT」。こちらは当時42,667円(税別)でした。
そして最上位グレードは、内装8段変速で点灯虫とソーラーテールライトを装備する「PS78BT」で、当時の価格は56,952円(税別)でした。
このPRESTINO、発売直後から一定の人気を得た自転車ではあるのですが、ブリヂストンサイクルの商品ラインナップが全体的に見直される中で他の車種と統合され、2010年モデルを最後に販売が終了してしまいます。
現在の商品ラインナップの中では、パワーロスを防いでダイレクトな走行感を実現したカーボンベルトドライブを搭載する、BRIDGESTONE GREEN LABELの「ORDINA(オルディナ)」シリーズが、PRESTINOの後継とまではいかないまでも、近いポジションにいるかもしれません。
内装8段変速の「ORDINA F8B」と、内装5段変速の「ORDINA F5B」があります。詳しくはBRIDGESTONE GREEN LABELのWebサイトでどうぞ。
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