クロスバイクでも輪行できる?CYLVA F24で試してみた

自転車を分解し専用の袋に収納して、鉄道で移動する「輪行(りんこう)」は、手軽に遠くまで出向いてサイクリングをするための手段として人気です。

そんな輪行ですが、クロスバイクでも可能でしょうか。BRIDGESTONE GREEN LABELの「CYLVA F24」で試してみましょう。

今回実際に輪行作業を行うのは、神奈川県大和市の自転車店「ドゥロワー・ザ・バイクストア」の若手スタッフとして日々研鑽中の平子舞さんです。

今回使用した輪行グッズ

今回使用した輪行グッズは、下記のとおりです。

 

(1)輪行袋:オーストリッチ L−100
(2)スプロケットカバー:マルト スプロケット&ディスクブレーキローターカバー
(3)エンド金具:オーストリッチ エンド金具 エンド幅130mm

なお「エンド金具」は、自転車のタイプによって必要なものが変わってきますので、購入される際は自転車店に相談・確認してください。

他にもカバー類などいろいろな輪行グッズがありますが、最低限これだけあれば、輪行は可能です。

結論から言うとスタンドを取り外す必要があった

CYLVA F24の2018年モデルには、リアにサイドスタンドが付いています。

サイドスタンドが付いたままだと輪行袋に納まらないので、今回は輪行作業の前に取り外しました。

輪行袋にCYLVA F24を納めてみよう

それでは、サイドスタンドを取り外したCYLVA F24を、実際にオーストリッチの輪行袋「L-100」に収納してみましょう。スタンドのほか、ハンドル周りに装着したライトなども外しておきます。

自転車をひっくり返して作業すると、やりやすいです。自転車を汚さないために、輪行袋を風呂敷のように地面に敷きましょう。

そして、まずは前後輪を取り外します。

前後輪を取り外す作業は、以前掲載した記事「クロスバイクのチューブ交換にチャレンジ(前編)」にて詳しく紹介しています。自転車をひっくり返すか、ひっくり返さないかの違いはありますが、手順はほとんど同じです。これから輪行にチャレンジしてみたいと思う方は「クロスバイクのチューブ交換にチャレンジ(前編)」も合わせてご覧いただき、練習すると良いでしょう。

関連記事: クロスバイクのチューブ交換にチャレンジ(前編)

というわけで、こちらでは手短かに手順をご紹介します。

後輪が外しやすいギア位置にする

前後のギアを、後輪が外しやすい位置にします。

 

後ろのギアは、いちばん重たいギアにします。

前のギアも、いちばん重たいアウターギアにします。パンク修理などで後輪を外したいときは前のギアもいちばん軽いインナーギアにすると良いのですが、輪行の場合はアウターギアにしておいたほうが、後でチェーンが外れにくくて良いでしょう。チェーンリング(ギア板)カバーがない自転車の場合は、チェーンリングのギザギザが露出しないという意味もあります。

ブレーキを解除する

 

CYLVA F24には「Vブレーキ」というタイプのブレーキが使われていますが、このブレーキを解除してホイールを外しやすくします。

ホイールを取り外す

ここからは、輪行袋の上に、サドルを下にして自転車を置くと作業しやすいでしょう。

 

クイックレバーをゆるめて、前後のホイールを取り外します。そして、後ろのギアをいちばん軽いギアに動かします。こうすると、リアディレイラーが出っ張らなくなるのです。

エンド金具を取り付ける

輪行の際に使う「エンド金具」とは、リアディレイラーが地面に着くのを防ぎ、保護するためのものです。今回はオーストリッチ製のエンド金具を使用しています。

こんなふうに組み立てて、シャフトをチェーンにかけてからクイックレバーを締めると、チェーンが暴れなくなります。

 

エンド金具とサドルの後端を下にしたとき、自転車が自立するようであれば大丈夫です。エンド金具の取り付け角度をしっかり調整しましょう。

このように自立すれば、大丈夫です。

外したホイールをフレームに固定する

外したホイールは、輪行袋に付属するストラップ(中締めベルト)でフレームに固定します。

 

スプロケットにカバーを取り付けて、クランクがある側に前輪、反対側に後輪を置いてフレームを挟むようにします。このとき、ホイールがフレームにぴったり寄り添うようにします。

ハンドルは、チェーンリングとは反対側に倒しましょう。

 

上側(ダウンチューブ側)で、ストラップで固定します。このとき、ストラップをダウンチューブにぐるっと1周させると、ずれにくくなります。

 

ダウンチューブ側で固定したストラップを頂点に、三角形になるようにストラップでホイールを固定します。

※ストラップをサドルに通したりすると、なお良いです。

ストラップを締めたら自転車を少しだけ持ち上げてみて、ホイールがずれないか確認しましょう。ずれるようであれば、ストラップの締め方が足りないか、位置が適切ではありません。ホイールがフレームにしっかり寄り添っているかを確かめると良いでしょう。

輪行袋に納める

もう、ほとんどできたも同然です。自転車を輪行袋に収めましょう。

 

オーストリッチのL-100は、袋の底に前後が書いてあるのでわかりやすいです。まずは袋の底に自転車を載せるイメージで。

 

ショルダーストラップを取り付けます。片方をボトムブラケット付近に付けて、輪行袋に設けられた穴に通し、反対側はヘッドチューブ付近に取り付けます。

そして、輪行袋に自転車を完全に収めます。フロントフォークなどがはみ出さないようにしましょう。

輪行状態の完成

できました。CYLVA F24が、オーストリッチのL-100輪行袋へと収まっています(ただしサイドスタンドは取り外しました)。

ちなみにこの写真は、作業していたときとは逆向きになっています。作業しているときはエンド金具がこちらから見て左側でしたが、この写真では、袋の中ではエンド金具がこちらから見て右側にあります。

 

今回使用したF24は平子さんが乗るには大きなサイズ(490mm)なのですが、ちゃんと持ち運ぶこともできます。

クロスバイクでも、輪行サイクリングが楽しめますね!

取り外したライトなどを忘れずに注意して、出発しましょう!

輪行した自転車は元に戻さないといけない

さて、無事にクロスバイクが輪行袋に収まって喜んでいますが、輪行袋に入れた自転車は、元に戻さないと乗ることができませんね。

手順は輪行袋に入れるときの逆なので、難しいことはありません。駆け足で手順を確認しましょう。

輪行袋から自転車を取り出しストラップや保護具を外す

 

自転車を輪行袋から取り出して、ストラップをすべて外しましょう。

このあと、輪行袋を作業のために地面に敷くと便利です。

そして、ここでシフトレバーを操作して、後ろのギアをいちばん重たいところにしましょう。そのほうが後輪を取り付けやすいからです。

続いて、エンド金具とスプロケットのカバーも外しましょう。

ホイールを取り付ける

ホイールの取り付け方法は、下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてごらんください。

関連記事: クロスバイクのチューブ交換にチャレンジ(後編)

 

今回は、自転車をひっくり返して作業しています。後輪を取り付ける際のコツは、リアディレイラーを左の写真のようにひっぱること。そして、スプロケットをチェーンの上に乗せるようにします。

前輪も取り付け、前後ともホイールのクイックレバーをしっかりと締めましょう。そして、ホイールを取り外す際にブレーキを解除していますから、忘れずにブレーキワイヤーを元に戻します。

輪行袋をたたむ

 

輪行袋をたたむ際のコツは、グルグルと巻く前に、きちんと袋の幅に収まるかを確認すること。

コツさえつかめば、簡単です!

クロスバイクで輪行サイクリングを楽しもう!

クロスバイクはロードバイクよりもハンドル幅が広く、フレームの全長もあるため、オーストリッチのL-100輪行袋に収まるか不安もあったのですが、少なくとも今回使用したCYLVA F24(フレームサイズ490mm)では、サイドスタンドを取り外す必要があった以外はまったく問題がありませんでした。

できるとなれば、やはり実際に輪行サイクリングをしてみたい!というわけで、次回は実践編をお届けできればと思っています。

●今回使用した自転車 CYLVA F24(シルヴァ F24)
価格 52,800円(税別)
製品情報 https://www.bscycle.co.jp/items/commuting/greenlabel/cylva/index.html
※3年間盗難補償付き

記事協力:ドゥロワー・ザ・バイクストア

車両提供:ブリヂストンサイクル

text&photo_Gen SUGAI(CyclingEX

協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社

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