気分は「いざ鎌倉」!? 鎌倉古道の遺構をTB1eで訪ねるサイクリング

2022年のNHK大河ドラマは『鎌倉殿の13人』。そのゆかりの地といえば当然「鎌倉」ですが、鎌倉へ至る「鎌倉街道」の存在も見逃せません。有事の際に各地の武士が鎌倉にかけつけるため——いわゆる「いざ鎌倉」——のために整備されたとされる道です。今回は、そのルートの一部をブリヂストンの電動アシストクロスバイク「TB1e」で走り、遺構や由緒あるスポットを訪ねたいと思います。

(text&photo_SUGAI Gen)

関東の各地には、鎌倉街道と呼ばれる道路がいくつかあります。それらはかつての鎌倉街道、いわゆる鎌倉古道が現代まで受け継がれているものです。つまり、鎌倉街道と呼ばれているルート、もしくはその近くを鎌倉古道が通っています。今回は、とくに鎌倉古道の痕跡が多く残る東京都町田市のエリアを探索します。

ルート設定の参考にしたのは、こちらの書籍。

『40代からの街道歩き《鎌倉街道編》』 街道歩き委員会 内田晃(著)

リンク: 出版物のご案内 | 三省堂書店

この本を参考にして、小田急線・鶴川駅を起点として、同じく小田急線の町田駅近くにある「町田天満宮」までを走るルートとしました。

まず最初に目指すのは「関屋の切通し」です。布田道という別の古道と、鎌倉古道が交わる地点の近くにあります。

現代の鎌倉街道、とくに多摩市と町田市を結ぶ区間は、片道2車線の立派な道路です。アップダウンのある地形ですが急勾配というほどではなく、比較的走りやすい区間です。

しかし、少し脇道にそれると、ごらんのような風景が広がるのです。これが、このエリアの本来の姿と言ってようでしょう。やがて、少々きついアップダウンも出てきますが、そこはTB1eのアシストパワーに頼って、難なくクリア。途中に少年野球の練習場があり、それを過ぎると——。

「関屋の切通し」に辿り着きました。中世からの風景を現代に伝えているとされる切通しです。ついさっきまでの金属バット音がうそのような、静寂に包まれています。鎌倉古道も、この近くを通っていたと推測されます。

さらに先に進むと、小さな鳥居と祠がありました。狐の像が置かれているので、お稲荷さんですね。

次に向かうのは「小野路宿」です。

小野路宿は江戸時代の大山道に設けられた宿場で、徳川家康の亡骸が久能山東照宮から日光東照宮に移されるときに通ったとされます。そして、かつての鎌倉古道のルートでもあります。そんな小野路の街並みは、少し道路が拡張された今でも宿場町の面影を残しています。

旅籠だった建物を改修し観光施設とした「小野路宿里山交流館」が、小野路宿のランドマーク。軽食・喫茶が楽しめますが、この日は休日で少々混み合っていたのでそのまま通過して、次のポイントを目指します。

リンク: 小野路宿里山交流館/町田市ホームページ

「町田GIONスタジアム」を含む広大な公園「町田市立野津田公園」の中に、鎌倉古道の遺構が残っています。Googleマップを見るとスタジアムの近くに遺構があるように思えたのですが、そちらは空振りでした。気を取り直して一度公園を出て、回り込むようにしてやってきたのが、こちら。

「鎌倉古道(上ノ道)」と道標が立てられています。上ノ道(上道)というのは、いくつかある鎌倉古道のうち、上州(高崎)から府中や町田を通って鎌倉に至る道の通称です。

あたりは切通しの坂道になっていて、古道は舗装路と並行するように遊歩道として整備されていました。いったん坂を登り上州から鎌倉への方向を歩いてみれば、かつて鎌倉を目指した人々の気分になれるかも!?

さて、有事の際に武士たちが「いざ鎌倉」と駆けつけるために整備されたとする鎌倉古道ですが、歴史上のハイライトは1333年、元弘の乱における新田義貞の「鎌倉攻め」ではないでしょうか。鎌倉幕府を守るためのルートは、結果として鎌倉幕府を滅ぼすためのルートになりました。

次に目指すのは、新田義貞の鎌倉攻めにまつわる伝承がある場所です。

途中、自転車では入れないところを迂回したのですが、何気なく入り込んだ道に雰囲気のよい切通しがあったりするのが、このエリアの面白いところです。ただし「坂ばっかり」なので、今日はTB1eで良かった……。

やってきたのは「七国山(ななくにやま)」と呼ばれるエリアです。切通しに「七国山鎌倉街道の碑」と彫られた石碑が置かれていました。

そして、この何気ない土の地面がポイント。新田義貞が鎌倉攻めの際に井戸を掘り、馬に水を飲ませたという「伝説」が残されている、通称「鎌倉井戸」です。かつてはそれっぽい木枠が設置されたいたのですが、破損したこともあり現在は撤去されています。しかし、土の地面の下に井戸が埋まっていることは事実です。

この付近にも、鎌倉古道上ノ道の遺構とされる道があります。

自転車は入れないので石碑の近くに停めて、しばらく土の地面を散策しました。ウグイスの鳴き声がひびきわたり、心が癒されます。

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