ディスクブレーキのクロスバイクでホイールを脱着する際のポイント

クロスバイクはシティサイクルよりも簡単にホイール(車輪)の脱着ができるので、パンクをしたときも自分でパンク修理やチューブ交換ができます。今回は、ディスクブレーキのクロスバイクでホイールを脱着する際のポイントを紹介します。

講師:山路篤(ドゥロワー)
文:須貝弦(CyclingEX)

ANCHOR RL1 機械式ディスクブレーキモデル
photo_ブリヂストンサイクル

ホイールの脱着方法や、タイヤチューブの交換方法を習得すれば、出先でパンクした場合も自分で対処ができます。クロスバイクは、シティサイクルよりも簡単に作業ができるので、ぜひ覚えておきたいものです。そのための基礎的な知識は、以前にBRI-CHANで紹介しました。

今回は、以前の記事では触れなかった、ディスクブレーキを搭載したクロスバイクで作業する際のポイントについて紹介したいと思います。ホイール脱着やチューブ交換など、全体的な流れは以前の記事と変わりありませんので、あわせてお読みいただければ幸いです。

さて、今回用意した自転車は、ブリヂストンのスポーツバイクブランド「ANCHOR(アンカー)」のディスクブレーキ搭載クロスバイク「RL1」(機械式ディスクブレーキモデル)です。

ホイールを外す

ホイールを外す際は、ディスクブレーキだからといってとくに変わることはありません。Vブレーキのような「ブレーキを解除する」という工程がないので、むしろ簡単とも言えます。したがって、前輪については割愛します。以前の記事の前編を参照してください。

後輪を外す際も、とくに変わったことはありません。ギアの位置を整えておくとやりやすいのはVブレーキ等と同じです。

具体的にには、前のギアはいちばん軽い位置、後ろのギアはいちばん重い位置にします。この状態だとチェーンの張りがゆるいので、作業しやすくなります。

RL1は、クイックリリースレバーでホイールが固定されています。

クイックリリースレバーを開きます。

サドルを持って自転車を持ち上げ、もう片方の手で後輪を下に押すようにすれば……

このように、後輪が外れます。

油圧式ディスクはパッドスペーサーを忘れずに

さて、こうして前後のホイールを外したあと、ディスクブレーキの種類によっては注意するべき点があります。その種類とは、油圧でコントロールする「油圧式ディスクブレーキ」です。RL1にも油圧式ディスクブレーキ搭載モデルがありますし、ANCHORのロードバイクやMTB等でディスクブレーキを搭載している他のモデルは、油圧式ディスクブレーキ搭載です。

わかりやすいように、油圧式ディスクブレーキのキャリパーだけで説明します。ブレーキパッドが見えますね。このブレーキパッドがディスクローターを挟むことでブレーキがかかります。ホイールを外した状態だと、当然ながら挟まれるべきローターがありません。

詳しい原理についての説明は省きますが、この「ローターがない状態」で油圧式ディスクブレーキのブレーキレバーを握ってしまうと、ふたつのパッドがくっついてしまい、元に戻らなくなってしまいます。

そこで、ホイールを外したら、このような「パッドスペーサー」を挟みます。油圧式ディスクブレーキの自転車には、基本的には付属しています(ANCHOR RL1の油圧式ディスクブレーキモデルにも付属します)。もしお手持ちの自転車に付属していなくても、単体で発売されていますから必ず用意しましょう。

こうやって、挟んでおけば安心です。

ホイールを取り付ける

さて、今度はホイールを取り付ける際の注意点です。

外すときは違って、ホイールに取り付けられたディスクローターが、ちゃんとブレーキキャリパー、しかもパッドとパッドの間に収まるようにしなければなりません。

ありがちなのが、ディスクローターがブレーキキャリパーにひっかかってしまって、無理矢理入れようとした際にディスクローターが歪んでしまう……というもの。そうならないように、注意しましょう。

「注意する」と言っても、実はホイールの取り付け方自体は、以前の記事の後半と同じなんです。ただ、各部の位置関係をわかりやすくするために、とくに後輪については「自転車をさかさまにして作業する」ことをおすすめします。

ギアの位置は、ホイールを外したときと同じのままにしておきます。

このようにフレームをさかさまにした状態で、後輪を入れていきます。

軍手などを着用して、チェーンを写真のように持ち上げると作業しやすいでしょう。

後輪のスプロケット(ギア歯)の、いちばん外側の歯を、チェーンに乗せるようにして入れていきます。

ディスクローターがある反対側も、ひっかかったりしていないか目視で確認します。

位置関係さえ間違えなければ、思った以上にすんなり入っていくはずです。

クイックリリースレバーを閉めて、ホイールを回してみた際に、シャラシャラとディスクローターが擦っている音がしなければ大丈夫です。擦っている場合はホイールが真っ直ぐ入っていないか、ディスクローターが歪んでいるか、どちらかの可能性があります。

たいへん見づらいですが、ディスクローターの左右に隙間があります。この状態なら回転させてもシャラシャラ音はありません。

何度かやってみてシャラシャラ音がなくならない場合は、自転車店にチェックしてもらいましょう。

スルーアクスルについて

さて、今回使用した「RL1」はホイールがクイックリリースレバーで固定されていますが、その他に「スルーアクスル」というものもあります。

左がクイックリリースレバーを用いるフロントフォークのエンド部分、右がスルーアクスルを採用したフロントフォークのエンド部分です。左のフォークは切り欠きになっていて、右のフォークは穴が開いています。

エンド部に設けられた穴とホイールの中を、アクスルが貫通しています。アクスルの固定方法はレバーを開くものや、開かずに回転させるものなど、複数の方法があります。

スルーアクスルには、その規格や操作方法が複数ありますから、購入時に確認しましょう。


というわけで、以前の記事の補足という形でディスクブレーキ搭載クロスバイクのホイールを脱着する際の注意点などを紹介しました。以前の記事も、あわせてごらんください。

リンク: クロスバイクのチューブ交換にチャレンジ(前編) – BRI-CHAN

リンク: クロスバイクのチューブ交換にチャレンジ(後編) – BRI-CHAN

【講師紹介】
山路 篤(やまじ・あつし)さん

「drawer(ドゥロワー)」代表。工具メーカー、完成車メーカーを経て2010年に自転車業界に特化した人材育成を手がける「drawer(ドゥロワー)」を設立。2016年12月に「drawer THE BIKE STORE」を神奈川県大和市にオープン。BRIDGESTONE ANCHORやBRIDGESTONE GREEN LABEL(CYLVA、CHERO)の取り扱いあり。

・drawer(ドゥロワー)
リンク: drawer THE BIKE STORE- ドゥロワー ザ・バイクストア – | – ドゥロワー ザ・バイクストア –

text&photo_Gen SUGAI(CyclingEX