ANCHOR RL3が輪行用ロードバイクとして最適だと思う理由

ブリヂストンサイクルのスポーツバイクブランドである「ANCHOR(アンカー)」の中で、ロードバイクのエントリーモデルと位置付けられている「RL3 DROP」が、実は「輪行」でのサイクリングを楽しむ上で最適な1台ではないか——そんなふうに思うのです。

写真の車両はシマノ・ソラ仕様ですが、現在販売中の完成車はシマノ・クラリス仕様のみです

輪行とは、自転車をバラして専用の「輪行袋」に収納し、主に鉄道などの公共交通機関で移動することです。輪行を取り入れることで、サイクリングのコース設定を設定する際の自由度が高まります。鉄道を利用して遠くまで出かけるのはもちろん、出かけた先で暗くなるまでサイクリングを楽しんで輪行で帰ったり、サイクリングの締めくくりにビールを飲んで帰ることだってできます。

輪行にはリムブレーキモデルが◎

輪行をする上では、自転車をバラして輪行袋に収納する必要があります。各鉄道会社の規定により3辺合計が250cmに収まっている必要があり、輪行時の取り回しのよさも考慮すると、前後のホイールを取り外すのが一般的です。取り外したホイールはストラップでフレームに固定して、いっしょに輪行袋に収納します。

最近はロードバイクでもクロスバイクでも、ディスクブレーキを搭載したものがたいへん多くなっています。ディスクブレーキの自転車で輪行する場合、輪行中にディスクローターが歪んでしまったり、ディスクローターでフレームを傷つけたりするリスクがあります。また、ホイールを取り付ける作業が少々面倒に感じることもあるでしょう。その点、RL3のようなリムブレーキモデルは、ディスクブレーキモデルよりはラクに輪行できます。

写真の車両はシマノ・ソラ仕様ですが、現在販売中の完成車はシマノ・クラリス仕様のみです

そして、同じようなエントリーグレードのロードバイクを比較すると、リムブレーキモデルはディスクブレーキモデルよりも数百グラム程度ですが軽量であることが多く、その軽さは持っても乗っても感じ取ることができます。ANCHOR RL3はリムブレーキモデルしか設定されていないのでANCHORの中に比較対象はないのですが、490mmサイズで10.3kg(しかもペダル込み)ですから、悪くありません。

写真の車両はシマノ・ソラ仕様ですが、現在販売中の完成車はシマノ・クラリス仕様のみです

輪行のしやすさとは関係のない話にはなりますが、RL3には補助ブレーキレバーが備わっているのも特徴。ストップ&ゴーが多いシチュエーションで、フラットバーのように扱えるのは、やはり便利です。

RL3を連れて酒匂川沿いをサイクリング

7月のある日、猛烈に暑い中ではありましたが、RL3で輪行サイクリングに出かけました。長い距離を走るのには向かない気候なので、川沿いをRL3でゆるく流して、おいしいものでも食べて帰ろう、暑ければさっさと輪行で離脱しよう——そんなふうに考えて、小田急線に乗り込みます。

やってきたのは、神奈川県の開成町にある「開成」という駅。あじさいの名所として知られるところですが、この日、開成で降りたのはあじさい目当てではありませんでした。

とりあえず、自転車を組み立てないことにはサイクリングできません。跨線橋の下の日陰でRL3を走行できる状態にして、輪行袋はバックパックへ。そして、後ろを振り向くと最初のお目当てがあります。

開成駅前のなつかしいロマンスカー

小田急線といえば、箱根に行く「ロマンスカー」。開成駅前には、なつかしいロマンスカーの先頭車両が保存されているのです。1963年から2000年まで活躍した「3100形NSE」は、ロマンスカーでは初めて先頭に展望席が設けられた車両です。海老名にある「ロマンスカーミュージアム」に保存されてるものと違い、こちらの保存車両は屋外に置かれています。

しばし、美しい流線型の車体を眺めました。

が、とにかく暑い!

日陰が少ないので、いつまでもここに佇んでいたら熱中症になってしまいます。さっそく水分補給をして、次なるお目当てへ。

酒匂川サイクリングロードの松並木

開成駅前からロマンスカーNSEを左に見てにまっすぐ進むと、すぐに酒匂川の堤防があります。

酒匂川の堤防には、クロマツが植えられています。この松並木は、二宮尊徳が植えたのがはじまりと伝えられています。小田急線に乗って小田原や箱根に行くとき、車窓に見える松並木が気になっていたのですが、間近で見るのは今回が初めてです。

こちらの小田原市だけでなく、対岸の大井町側にも松並木が見えます。

堤防から少し離れた場所に松並木が続いている場所もあります。堤防は酒匂川サイクリングコースとして整備されていて、日差しが強い夏は松並木が作り出す日陰に救われます。

小田原で海鮮丼を食べる

そのまま小田原駅へと向かい、本当は個人的に好きな小田原城なども行きたかったのですが、あまりの暑さにギブアップ。早々にRL3を輪行袋へ収納してしまい、駅ビルの食堂で海鮮丼を食べて帰ることにしました。

地元の買い物客もフラッと立ち寄るような、魚屋さんがやっている「魚力食堂」にて「魚力 小田原丼」、1,990円(税込)で、大満足。消費カロリー以上に食べたなぁ〜と思いながら、小田急線で帰路につきました。


というわけで、たいした走行距離ではないのですが、見たいものを見て、自転車に乗り、食べたいものを食べて、冷房が効いた電車で涼んで帰る——そんな気楽な輪行サイクリングでした。こんなふうに気軽な使い方ができるのはエントリーモデルならではとも言え、RL3はセカンドバイクにもいいなと思った次第です。

RL3 DROP CLARIS MODEL

今回の記事で使用したRL3 DROPは、サンプル車両で搭載しているコンポーネントが現行製品と異なっています。2023年モデルのRL3 DROPは、メインコンポーネントにシマノ・クラリスを搭載しています。

photo_ブリヂストンサイクル

価格は112,000円(税込)。詳細は下記リンク先でどうぞ。

リンク: RL3 DROP | ALL LINE UP | アンカー | ブリヂストンサイクル株式会社

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協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社