自転車タイヤのサイズってどうちがうの?

突然ですが、自転車のタイヤサイズを意識したことはありますか? 一般的には『インチ』が広く認識されており、皆さんもこの自転車は何インチといった具合で自転車の大きさを判断されていることと思います。では、そもそも「タイヤサイズ」とは何を表しているのでしょうか?

文:山路篤(ドゥロワー・ザ・バイクストア)

自転車のタイヤにはサイズがある

タイヤサイズとは、タイヤの外径(つまりタイヤの外側の直径)と幅を表したもので、皆さんが使う「何インチ?」は、タイヤの大きさを表しています。

例えば、子供用の自転車は小さなタイヤを使用しますので、12インチとか16インチなどになじみがあるでしょう。12インチで大体の外径が305mm、16インチで406mmになります。一方、大人用の自転車は26インチや27インチが主流です。26インチで外径660mm、27インチで686mmというふうに大きくなっていき、それに伴い自転車自体のサイズも大きくなっていきます。

MARKROSA 7Sの26インチモデル

BRIDGESTONE GREEN LABELのラインナップを見ていくと、最も小さなタイヤサイズを使用しているのは「CHERO 20F」や「CYLVA F8F」などで、20インチを使用しています。しかし、CHEROやCYLVAシリーズには大きなタイヤを使用しているモデルもあり、例えば「CHERO 700F」や「CYLVA F24」などは「700C」や27インチといった大きなサイズのタイヤを使用しています。

TOTEBOXのように前後で車輪径が異なることもあります

ここで気づいた方もいらっしゃると思いますが、タイヤサイズにはこれまでお話ししたインチの他にも「700C」などのようなサイズ表記が存在しています。これは、かつて自転車のタイヤの規格が統一されていなかった時代に、イギリス由来のインチ規格と、フランス由来のミリ規格がそれぞれ広まったことが原因で、現在でも複数のサイズ表記が混在しています。「700C」は、タイヤのおおよその外径が700mmであることを意味しています。

同じインチ表記でも実はタイヤサイズが違う!?

そして、実はインチ表記の中にも複数の種類が存在しているのをご存じでしょうか? 例えば「20インチ」と呼ばれていても、外径が違うことがあるのです。

少し難しい話をすると、タイヤとリムの規格が異なることが、サイズにも大きく影響してしまいます。一般車やロードバイク、クロスバイクの場合は、主に「W/O規格」というものが採用され、主にマウンテンバイクには「H/E規格」が採用されます。どちらも単位に「インチ」を使っているのですが、例えば同じ「20インチ」という呼び方でも、W/OとH/Eとでは、タイヤが装着される「リム」の径が違う場合があります。したがって、20インチと呼ばれているのに大きさが違うタイヤがあるのです。

近年では、それらの複雑なタイヤサイズ表記を統一した規格として「ETRTO(エトルト)」と呼ばれるものが登場し、タイヤにもこのETRTOサイズを表記するよう義務付けられていることから、以前より区別はつきやすくなっています。それでも、一般的なタイヤサイズは、やはりインチサイズで呼称されているのが実情です。

20インチを例に、具体例を挙げましょう。

「CYLVA F8F」と「MARKROSA M7」はどちらも、タイヤサイズをひとことで言えば「20インチ」ということになります。しかし、CYLVA F8Fの20インチとMARKROSA M7の20インチとでは、リムとタイヤの径が異なるのです。

CYLVA F8Fのタイヤサイズ表記

CYLVA F8Fのタイヤサイズ表記は「20×1.35」です。カタログには「20×1.35HE」と書かれています。一方MARKROSA M7のタイヤサイズ表記は「20×1-1/8」です。カタログには「20×1-1/8WO」と書かれています。

MARKROSA M7のタイヤサイズ表記

「HE」や「WO」と書かれているのは、メーカーの親切心といったところでしょうか。それはさておき、この両者のタイヤサイズ(径)を、先ほど紹介した「ETRTO(エトルト)」で表記してみましょう。ETRTOでは、外径ではなく内径を数値で示します。

CYLVA F8F の内径をETRTO表記にすると「406」となります。一方MARKROSA M7は「451」です。この406や451というのは、内径が406mmや451mmという意味です。

比率を合わせてみると……車輪の径が違いますね!?

同じ「20インチ」なのに、片や内径406mm、方や内径451mm。45mmも違うんです!

同じことは、シティサイクルの「26インチ」と、スポーツ自転車の「26インチ」などでも起きます。したがって、ご自身でタイヤを購入して交換したいという場合は、タイヤに書かれているETRTO表記をしっかり確認しましょう。なお、厳密に言えばW/OとH/Eとではタイヤがリムにはまる方式も異なります。近年はあまり差がなくなってきてはいるのですが——なんて話をしだすと、どんどん深みに入っていきますね。心配な方は専門店に相談し、相談したお店で購入しましょう。

タイヤサイズが変わると走りも変わる

さて、なぜそもそもタイヤの大きさの違う自転車がたくさんラインナップされているのでしょうか?

例えば、普段着で気軽に乗れる人気の「MARKROSA(マークローザ)」には、27インチモデル、26インチモデル、そして20インチモデルの3種類が用意されています。タイヤ外径が大きくなれば、それだけ自転車自体の大きさも変化していきます。自転車にはそれぞれ適応身長というものが設定されていますので、身長が大きい方は必然的に27インチを、小さい方は20インチを選択していただいたほうが、正しい姿勢で安全に乗車できます。

しかしタイヤサイズが異なると、ペダルをひと漕ぎした時に進む距離に差が出ます。例えば一般的な20インチのタイヤが1回転した時に進む距離は約1.6mなのに対し、27インチのタイヤは1回転で約2.2m、26インチのタイヤで約2.1m進むことができる計算になります。そうなると当然、「20インチよりも27インチや26インチの方がラクに進む」と考えることができます。

ただ、MARKROSAの場合は20インチモデルのM7がペダルひと漕ぎで6.24m進むのに対して、26インチモデルの7Sで6.22mとなり(7速のとき)、同じどころかむしろ20インチのほうがよく進みます。これはブリヂストンが、小さなタイヤサイズでもちゃんとスポーティーな走りを楽しめるように、ギア比を最適化して設計しているからです。自転車メーカーも、ちゃんと考えているんですね。

よりスポーティーな走りを楽しめる700C

CYLVA F24

また、BRIDGESTONE GREEN LABELでは、先ほどご説明した「700C」や「650C」といったミリ規格のタイヤサイズを採用する「CYLVA(シルヴァ)」シリーズや「CHERO(クエロ)」シリーズといった、よりスポーティーなラインナップも見ることができます。外径だけでなく、幅の細いタイヤを採用することで、より軽やかな走行性能を実現している自転車もあります。


「タイヤのサイズってややこしいな」と思われたかもしれませんが、自転車の発祥した土地によって使われる自転車の種類に依存しますので、簡単に言えばシティーサイクルのような主に移動をメインとした自転車の場合はインチ規格を採用し、ロードバイクのようにスポーツをメインとした自転車の場合はミリ規格を採用することが多いと言えるでしょうね。

ただ勘違いしていただきたくないのは、インチ規格だからスポーツ用途に使用してはいけない、あるいはミリ規格だからお買い物に使用してはいけないという事ではなく、あくまでも規格だけのお話しですので、自由に自転車を楽しんでいただきたいなと思います。

BRIDGESTONE GREEN LABELには使いみちに合わせた豊富なバリエーションが用意されていますし、小さな自転車から大きな自転車まで揃っていますから、きっとお気に入りの1台が見つかることでしょう。

リンク: [街乗り自転車]ブリヂストン グリーンレーベル | 自転車 | ブリヂストンサイクル株式会社

text_Andrew Yamaji(drawer)

【講師紹介】

山路 篤(やまじ・あつし)

「drawer(ドゥロワー)」代表。工具メーカー、完成車メーカーを経て2010年に自転車業界に特化した人材育成を手がける「drawer(ドゥロワー)」を設立。2016年12月に「drawer THE BIKE STORE」を神奈川県大和市にオープン。BRIDGESTONE ANCHORやBRIDGESTONE GREEN LABEL(CYLVA、CHERO、ORDINA)の取り扱いあり。

・drawer(ドゥロワー)
リンク: drawer THE BIKE STORE- ドゥロワー ザ・バイクストア – | – ドゥロワー ザ・バイクストア –


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