クロスバイクやロードバイクのスプロケット&チェーンリングをきれいにしてみよう

以前に、クロスバイクのチェーンをきれいにする記事を掲載しました。参考にしてくださった人もいるかと思いますが、もしかしたら「チェーンを掃除したのに、すぐ汚くなってしまう」という悩みを抱えている人も少なくないかもしれません。

チェーンがすぐに汚くなる原因として考えられるのは、上記の記事でも触れている「チェーンオイルの塗布しすぎ」が、まずひとつ。

もうひとつは、チェーンが関係する他の場所が汚れていることです。例えば上の写真のような、後輪の「スプロケット」と呼ばれる部品。

このスプロケットにもチェーンのオイルが回るので、どうしても汚れを集めてしまいます。そして、スプロケットがこのような状態でチェーンをきれいにしても、すぐに汚れてしまいます。

そこで今回の記事では、まずスプロケットをきれいにする方法をお伝えしましょう。アドバイザーは、BRI-CHANのメンテナンス記事でおなじみ、drawer(ドゥロワー)の山路篤さんです。

大まかな手順を先に紹介すると「チェーンクリーナーでしつこい汚れを掃除」した後に「マルチフォーミングクリーナー」で仕上げます。

今回はチェーンクリーナー(右)とマルチフォーミングクリーナー(左)の2種類を併用した

用意するものは、チェーンクリーナー、自転車用のマルチフォーミングクリーナー、ブラシ、ウェス、そしてウェスの切れ端です。

まずは、チェーンクリーナーをスプロケットに吹き付けます。チェーンクリーナーはWAKO’S(ワコーズ)の「CHA-C チェーンクリーナー」を使用しました。

リンク: WAKO’S – 株式会社和光ケミカル

そして、ブラシでスプロケットを掃除していきます。ちなみに今回使用しているブラシは、PARK TOOK(パークツール)の「GSC-1 ギアクリーンブラシ」です。ギザ状の刃も使って、ギアの間の汚れを掻き出します。2〜3分作業しただけでも最初よりかなり「マシ」になりますが、どんどん進めていきましょう。

リンク: GSC-1 ギアクリーンブラシ 【HOZAN】 ホーザン株式会社

ウェスの切れ端を用意しました。これ使って、ギアの歯と歯の間を掃除していきます。

汚れが掻き出され、ウェスの切れ端もあっという間に真っ黒に。

この作業を7〜8分続けたところ、先ほどよりさらにきれいになりましたが、まだまだ終わりません。

続いて、WAKO’S「FMC フォーミングマルチクリーナー」を使った洗浄に移ります。スプレーすると泡が立ち、拭き上げるだけできれにいなります。

リンク: WAKO’S – 株式会社和光ケミカル

3分ほどの作業で、ここまできれいになりました! トータル作業時間12分ほどで、冒頭からは見違える状態になったことがおわかりいただけるでしょう。

さて、こうなると他の場所も気になるものです。

左の写真は、フロントのチェーンリングです。よく見ると、ギア板に汚れがこびりついています。そして、右の写真はリアディレイラーで、こちらはプーリーと呼ばれる小さな歯車が汚れています。これも同様にきれいにしてみましょう。

作業内容自体は、スプロケットと同じです。チェーンクリーナーとブラシ、ウェスで汚れを落とし、その後マルチフォーミングクリーナーを吹き付けます。比較のためにチェーンリングの一部分だけをきれいにして、手付かずのところと見比べてみました。いかがでしょうか?

リアディレイラーも同じように作業します。裏から見ると、プーリーの汚れ具合がよくわかります。こちらも同じように、チェーンクリーナーとブラシでしつこい汚れを落とし、マルチフォーミングクリーナーで仕上げます。

プーリーの歯にこびりついていた汚れが落ち、プーリーを保持するプーリーケージも輝きを取り戻しました。スプロケットの掃除に着手してから、プーリーの掃除が終わるまで、今回は35分ほどでした。

さて、ここまで作業できたら、ぜひその勢いでチェーンも掃除してあげてください。理想を言えば、月に1回はこういった作業ができるとよいですね。そのほうが自転車が長持ちします。

チェーンをきれいにする方法は、下記の記事で紹介しています。

最後に、お役立ちグッズの紹介です。

スプロケットの歯と歯の間を掃除する際にウェスの切れ端を使いましたが、実はその作業のための専用品が発売されています。

フィニッシュラインの「ギア フロス」は、50cmちょっとのロープが20本入って、価格は1,122円(税込)。

リンク: クリーニングツール|FINISH LINE フィニッシュライン

また、後輪を外した状態でもチェーンのテンションを保つパーツも、あると便利です。

こちらはPARK TOOL「DH-1 ダミーハブ」、3,146円(税込)です。

リンク: DH-1 ダミーハブ 【HOZAN】 ホーザン株式会社

【今回のアドバイザー】
山路 篤(やまじ・あつし)さん

「drawer(ドゥロワー)」代表。工具メーカー、完成車メーカーを経て2010年に自転車業界に特化した人材育成を手がける「drawer(ドゥロワー)」を設立。2016年12月に「drawer THE BIKE STORE」を神奈川県大和市にオープン。BRIDGESTONE ANCHORやBRIDGESTONE GREEN LABEL(CYLVA、CHERO)の取り扱いあり。

・drawer(ドゥロワー)
リンク: drawer THE BIKE STORE- ドゥロワー ザ・バイクストア – | – ドゥロワー ザ・バイクストア –

text&photo_SUGAI Gen(CyclingEX

協力・協賛:ブリヂストンサイクル株式会社