シティサイクルとクロスバイクの違いを徹底解説

「普段使いできるスポーツ自転車」として人気の、クロスバイク。趣味だけでなく、通勤や通学などの実用でも使えるのが魅力です。とはいえ、いわゆる「シティサイクル」とは使い勝手の面でいろいろ異なる点もあります。そこで今回は、シティサイクルとクロスバイクの違いを見ていきましょう。

コンセプトの違い

シティサイクルとクロスバイクは、そもそもコンセプトが異なります。

シティサイクルの例 ブリヂストン ステップクルーズ

シティサイクルは日常の生活の中で使われる自転車であり、街中での実用性と扱いやすさが重要視されます。スピードを出すことよりは、安定感があって、快適に乗れることが優先された設計です。そう遠くない距離への通勤や通学、買い物などに適していると言えます。

クロスバイクの例 ブリヂストン XB1

一方でクロスバイクは、スポーツ自転車の文脈で作られています。クロスバイクの「クロス」は、そもそもはオンロードを速く走るための「ロードバイク」と、オフロードを走るための「MTB(マウンテンバイク)」のクロスオーバーという意味です。近年ではクロスバイクも多様化していますが、どちらかというと、オンロードでの走行性能を重視したものが多いのではないでしょうか。

クロスバイクも日常生活の中で使われることが多い自転車ですが、スポーティな性能を活かして週末のサイクリングを楽しむこともできます。

乗車姿勢

シティサイクルとクロスバイクでは、乗車姿勢も異なります。

シティサイクル「ブリヂストン マークローザ 3S」の乗車イメージ
photo_ブリヂストンサイクル ※写真は旧年モデル

シティサイクルは、ハンドルが乗り手の体に近いところにあり、上体が起きてリラックスした乗車姿勢となります。

クロスバイク「ブリヂストン XB1」の乗車イメージ photo_ブリヂストンサイクル

一方クロスバイクの場合は、一般的にはシティサイクルよりも前傾した姿勢になります。これは、前傾姿勢をとって空気抵抗を抑えるロードバイクの流れを汲んだものと言えるでしょう。

サドル

用途や乗車姿勢の違いは、体に触れるパーツの違いにも現れます。その代表格が「サドル」です。

シティサイクルのサドルの例

シティサイクルは、上体が起きた乗車姿勢となるため、サドルにどっしりと体重がかかります。したがって、肉厚のあるサドルが好まれます。

クロスバイクのサドルの例

クロスバイクはやや前傾した乗車姿勢になるため、シティサイクルと比べるとサドルへの荷重が少なくなります。また、スポーツ走行時にペダルを漕ぐ動作を妨げない形状が求められます。そのような理由から、クロスバイクのサドルはシティサイクルと比べると薄く、細くなっています。

実用装備

シティサイクルでは、ライト、フェンダー(泥除け)、ロック(鍵)、スタンド、チェーンカバーといった実用的な装備があらかじめ備わっています。

また、キャリアや前カゴ(フロントバスケット)も標準装備されているか、容易に取り付け可能であることが多いのが特徴です。

ブリヂストンのクロスバイク「XB1」には、ヘッドランプ、ロック、スタンドが付属していて親切

一方クロスバイクの場合は、それらの実用装備はオプションとして別途購入・後付けする必要があります。また、スポーツ自転車でチェーンを大きく覆うケースは極めて選択肢が限られます。

そんな中にあって、ブリヂストンのクロスバイク「XB1」や「LB1」、「ANCHOR RL1」などはヘッドランプとスタンド、ロックが標準装備されていて親切です。

走行のための装備

ギア

シティサイクルの変速機は、後輪の「ハブ」という部品に内蔵された「内装変速機」が主流で、変速段数は「3段」がもっとも一般的です。

シティサイクルでは、リアハブと呼ばれる部品の中に変速機が収まる「内装変速機」が使われることが多い

内装変速機は、変速の際にギアやチェーンがガチャガチャと動くことがないので、静かでスムーズ。変速の際にチェーンが外れるようなトラブルとも無縁です。

クロスバイクでは、変速機が露出している「外装変速機」が主流

一方クロスバイクでは、変速機が露出している外装変速機が主流です。外装変速機はスポーツ自転車では一般的なもので、軽量に作られています。しかし、内装式と比べると繊細な取り扱いが求められます。

クロスバイクは前(フロント)にも変速機が備わっていることがある

クロスバイクでは、変速機が前と後ろのふたつ備わっていることがあります。前が3段、後ろが8段の「24段変速」が比較的多いと言えるでしょう。変速機が後ろだけにある場合は、6段〜8段変速のものが主流です。

中には、外装変速のシティサイクルもあれば、内装変速のクロスバイクもあります。

ホイールとタイヤ

シティサイクルとクロスバイクでは、主に使われているホイールやタイヤのサイズ、とくに「径」が異なります。

シティサイクルの26インチタイヤ

シティサイクルでは、26インチや27インチというサイズが使われます。また、シティサイクルで「26インチ」と呼ぶ場合と、スポーツ自転車で26インチと呼ぶ場合では、実はサイズが異なるケースもあります。

クロスバイクの700Cタイヤ

クロスバイクは主に「700C」と呼ばれるサイズを用いています。これは、ロードバイクと同じ径です。

自転車のタイヤサイズはかなり複雑なので、こちらの記事にまとめてあります。

ブレーキ

一般的に、シティサイクルのブレーキは、前輪には「キャリパーブレーキ」と呼ばれるものが、後輪には「ローラーブレーキ」と呼ばれるものが使われています。

後輪に使われるローラーブレーキは、雨の日でも制動力が落ちず、適切なメンテナンスを行えば長期的に性能が維持できます。なお、見た目が似た「バンドブレーキ」というものが、廉価な自転車を中心に使われます。バンドブレーキは雨に弱く、キーキーという音なりもあります。

一方で、スポーツサイクルの範疇に入るクロスバイクでは、主に「Vブレーキ」や「ディスクブレーキ」が使われます。Vブレーキは、ゴムのブレーキシューでリムを押さえつけるという点では、シティサイクルのキャリパーブレーキと同じです。ディスクブレーキは、雨天時の制動力低下が少ないというメリットがあります。

重量

シティサイクルは、ヘッドランプやフェンダーなどが標準装備されている分、重量は重たくなりがちです。

一方クロスバイクは、スポーツ走行のためにフレームが軽量に作られており、かつシンプルな装備なので、シティサイクルよりは軽くなります。

スピード

シティサイクルとクロスバイクとでは、乗り手が同じであったとしても、クロスバイクのほうがスピードを出しやすいのは間違いありません。クロスバイクのほうがギアの段数が多くて細かいスピード調整がしやすいこと、重量が軽くて体への負担が少ないことが理由です。

その他

クロスバイクの中でも、ブレーキが前後ともVブレーキやディスクブレーキのものは、比較的容易に前後の車輪を脱着できます。

最低限の工具があれば、自分でタイヤチューブを交換することもできます。

シティサイクルの例

ブリヂストンサイクルのラインナップから、シティサイクルの例として次のふたつを挙げたいと思います。

ステップクルーズ 26インチ 3段変速モデル

photo_ブリヂストンサイクル

ステップクルーズは、丈夫なリアキャリアや両立スタンド、しっかりとしたフロントバスケット、そしてチェーン全体を覆うケースなど、質実剛健な装備をカジュアルなデザインでまとめているのが魅力です。

重量:21.7kg
価格:70,000円(税込)

リンク: ステップクルーズ | [街乗り自転車]通学・通勤向け自転車 | 自転車 | ブリヂストンサイクル株式会社

マークローザ 3S

photo_ブリヂストンサイクル

手前に引かれた形状のクルーザー風ハンドルと、シティサイクルの中では比較的シンプルな形状で、スタイリッシュに乗ることができるモデルです。リアキャリアやフロントバスケットがオプションな分、車体が軽いのも特徴です。

重量:16.6kg
価格:66,000円(税込)

リンク: マークローザ | ブリヂストン グリーンレーベル | 自転車 | ブリヂストンサイクル株式会社

クロスバイクの例

続いて、クロスバイクの例としてブリヂストンサイクルの2車種を紹介します。

XB1

photo_ブリヂストンサイクル

軽い車体に前後Vブレーキ、24段変速など「これぞクロスバイク!」という正統派です。サイズが4種類あり、体格にあった1台を選べるのもうれしいポイントです。ヘッドランプ(電池式)とスタンド、ロック(鍵)を標準装備しています。

重量:11.9kg(490mm)
価格:72,000円(税込)

リンク: エックスビーワン | スポーツ向け自転車 | 自転車 | ブリヂストンサイクル株式会社

ANCHOR RL1

photo_ブリヂストンサイクル

ブリヂストンのスポーツバイクブランド「ANCHOR(アンカー)」のクロスバイク。スポーツ性能が高いフレームと、ディスクブレーキを搭載しているのが特徴です。こちらも、ヘッドランプ(電池式)とスタンド、ロック(鍵)を標準装備しています。フレームサイズは3種類あります。

機械式ディスクブレーキモデル
価格:77,000円(税込)
重量:11.9kg(470mm)

油圧式ディスクブレーキモデル
価格:80,000円(税込)
重量:11.7kg(470mm)

リンク: RL1 | ALL LINE UP | アンカー | ブリヂストンサイクル株式会社

「クロスバイクとシティサイクルのいいとこ取り」もアリ!

実は、シティサイクルとクロスバイク、両方の特徴をあわせせ持った「シティサイクル寄りのクロスバイク」もあります。スポーティなクロスバイクが欲しいけど、シティサイクルの実用性も捨てがたい……という人には、このタイプがぴったりです。代表例として、ブリヂストンのニューモデル「LB1」を紹介します。

LB1/LB1 デラックス

シティサイクルでは一般的な、雨の日でも制動力が落ちにくいローラーブレーキを標準装備。また、タイヤもシティサイクルでよく使われる27インチです。上位モデル「LB1 デラックス」では、前後のフェンダー(泥除け)やフロントバスケット、チェーンケースを装備しており実用性も十分。スタンダードな「LB1」はシンプルな装備で、より手軽に始めることができます。

LB1
価格:42,000円(税込)
重量:14.4kg

LB1 デラックス
価格:49,000円(税込)
重量:16.5kg

リンク: エルビーワン | スポーツ向け自転車 | 自転車 | ブリヂストンサイクル株式会社

そもそものコンセプトが違うので、どちらが自分に適しているかを考えよう

このように、シティサイクルとクロスバイクは、そもそものコンセプトの違いが各所の作りや性能の違いとなって現れています。どちらかがよくて、どちらかが悪いということではなく、その自転車がどんなニーズに向けて作られているかの違いです。

シティサイクルを買うべきか、クロスバイクを買うべきか悩んでいる方は、自分が自転車に求めるものや、譲れないポイント(例:フロントバスケットは絶対にほしい、など)を整理してみると、よいのではないでしょうか。

text&photo_SUGAI Gen(CyclingEX)※特記以外